バレーボール女子日本代表を強化部長・中村貴司が総括 「大きな自信になった」勝利とは?
【リベロがそれぞれの持ち味を発揮してくれた】 ーー最終的にAP枠(交替選手)も合わせてリベロが3人になりました。AP枠の山岸あかね選手は、チーム全体のキャプテンの補佐役であったりと、そういうところも評価されて選出されたのでしょうか? すべてですね。まとめるという部分ももちろんありますが、眞鍋監督が会見でもおっしゃっていましたけど、やはり生命線であるレシーブというところで、万が一、リベロの選手にアクシデントがあった時のために、メンバーに入れておくというところは考えたと思います。そういうなかでは、山岸の技術的なもの、また人間味というか、そういうのもすべてトータルで評価したうえでのリザーブということに最終的になったのかなと思います。 ーー小島満菜美選手がレセプション、福留慧美選手がディグと役割分担していましたが、山岸選手はそのどちらもできるという評価もあったのでしょうか? そうですよね。小島、福留もチームに帰れば全部やりますけど。でもリベロというポジション的に考えると、相当なプレッシャーや体力、違った意味での精神的な体力を使うんじゃないかなと思います。 私の現役時代は、まだリベロのポジションがありませんでしたが、見ていてリベロって自分で得点が取れないから攻撃面でのカバーができないし、そういった意味では精神的にも強くなければならないし、本当に負担が大きいポジションだなと。 ですから、ずっとコートにいるよりは、違った形でディグとレセプションで分けるのは日本にとってもいい戦術だったんじゃないかなと思いますね。小島、福留のそれぞれの持ち味をネーションズリーグから含めて、うまく発揮してくれました。 つづく 【プロフィール】中村貴司 なかむら・たかし 日本バレーボール協会女子強化部長。1966年生まれ。早稲田大学卒業後、1988年に日本電気株式会社(NEC)入社し、NECブルーロケッツでプレー。現役引退後、NECレッドロケッツのゼネラルマネージャーなどを経て、2021年より女子強化委員長を務め、2024年11月から現職。
高井みわ●取材・文 text by Takai Miwa