【柔道】20歳の田中龍雅が28年ロス五輪へ名乗り 抜群の技の切れで初V 講道館杯
◇柔道講道館杯最終日(2024年11月3日 高崎アリーナ) 男子7階級が行われ、73キロ級は昨年2位の田中龍雅(20=筑波大)が初優勝を飾った。田中は4月の全日本選抜体重別選手権に続く、国内主要タイトルを獲得。12月のグランドスラム(GS)東京大会(東京体育館)の出場権も獲得し、28年ロサンゼルス五輪代表に堂々と名乗りを上げた。 【写真】男子73キロ級、表彰式でフォトセッションに臨む(左から)内村、田中、大吉、田中裕 決勝では選抜決勝でも対戦した内村秀資(自衛隊)に対し、開始わずか45秒で一本背負い投げ。鮮やかな一本勝ちを収め、「今大会が(ロス五輪への)スタートで大事だった。ピークを持っていって戦えた」とうなずいた。決勝までの4試合もほぼ危なげない内容で、全て技で勝負を決めた。決勝についても「対策されている中でも勝たないといけない。狙っていなかったが得意技で勝てて良かった」と話した。 今年5月の世界選手権は選抜を制したものの国際大会での実績が足りず、個人戦の代表入りを逃した。それでも混合団体の代表入りを果たすと、フランスとの決勝では後にパリ五輪で銀メダルを獲得したガバに勝利。五輪を見て、「世界で戦える力があると思えた」と自信を得たという。 4年後の大舞台へパリ五輪銅メダルの橋本壮市、世界選手権2位の石原樹と立ちはだかる壁は大きいが、「ロサンゼルスに向けて戦う準備をしたい」と腕を撫す。出色の勝ちっぷりを見せた田中を、男子日本代表の鈴木桂治監督も「素晴らしい内容。勝負勘、投げ勘が素晴らしい」と称賛。来年6月の世界選手権(ブダペスト)代表選考会を兼ねるGS東京大会での活躍にも期待した。 兄は66キロ級で今年の世界選手権を制した龍馬。五輪2連覇の阿部一二三という大きな壁が立ちはだかる兄と共に、田中ブラザーズが二人三脚で4年後のひのき舞台を目指す。