<ボクシング>IBF世界戦で“ノーモア亀田問題”
WBC、IBFのダブル世界戦(23日、大阪城ホール)の前日計量と、IBFの調印式並びにルールミーティングが22日、大阪市内のホテルで行われ、WBC世界バンタム級王者の山中慎介(帝拳)、IBF世界Sバンタム級王座に挑む長谷川穂積(真正)、それぞれの対戦相手も揃って計量をクリアした。IBFの立会人であるアニバル・ミラモンテ氏が、交通事故のアクシデントで前日の調印式に来日が間に合わなかったため、この日、IBFのタイトル戦の調印式とルールミーティングが行われた。ルールミーティングでは、タイトルの移動についての厳格な確認作業が行われた。 ■亀田問題を引き起こしたタッカー氏は来日禁止 IBFは、昨年12月の亀田大毅のWBAとのスーパーフライ級統一戦において、立会人の発言が一転して大混乱を引き起こした。それらの不祥事に関して、先月、JBC(日本ボクシング協会)への全面謝罪がアナウンスされたが、それ以来となる日本でのIBFの世界戦。立会い人のミラモンテ氏は、ランキング委員会のトップで、JBCにダリル・ピープルズ会長と共に謝罪に訪れたIBFの最高幹部の一人だ。亀田問題で騒動を引き起こしたリンゼイ・タッカー氏が、来日禁止処分となっているため、IBFの中でも、責任のある立場の人物がやってきた。 ■“ノーモア亀田問題”の精神を厳格に守る この日の計量は、両者がクリアして問題は起きなかったが、IBFルールでは、健康管理上、試合の当日計量が義務づけられていて、10ポンド(約4.5キロ)をオーバーしていた場合は、失格とみなされる。この日のルールミーティングは、メディアに公開の上で行われ、立会人のミラモンテ氏は、「当日計量でチャレンジャーが体重オーバーした場合はチャンピオンが負けても防衛」「チャンピオンが体重オーバーした場合、勝っても空位、チャレンジャーが勝てば新チャンピオンとなる」というルールを明白にした。また、いずれの場合も、タイトル戦として行われることを言明した。 本来、ルールミーティングでは、当日計量に失敗した場合のタイトルの移動についての確認はされないのが、通例だというが、亀田問題で「負けても空位」か「負けても防衛」かが、大問題に発展していただけに厳格に確認作業が行われたものだ。“ノーモア亀田問題”の精神をIBFが厳格に守ったわけである。