フワちゃんの“誤爆投稿”で明るみになった「天然コメディアンの裏側と芸能界の恐怖」
誤爆投稿で明るみになった、フワちゃんの“視野の狭さ”
しかし、この投稿は「偶然目にしたやす子さんの投稿に、“これにアンチコメントがつくなら。”といった趣旨で、本件の投稿の内容を記載し、その場にいた方に表示した画面を見せたところ、操作を誤って実際に投稿してしまった」らしい。 最初、私はこの釈明を聞いたときに、にわかに信じられなかった。しかし、フワちゃんのその後のSNSの投稿を見ると、どうもそれが真実らしい。たしかに「死んでくださーい」は、誤爆投稿としか説明できない。 逆に私が、このいきさつを聞いて驚いてしまった事は、フワちゃんの視野の狭小ぶりだ。彼女は、こんなにも仕事や自分を取り巻く状況のことで頭がいっぱいなのか。こんなにもSNSにべったりと張り付き、振り回されているのか。ネット民に対する皮肉に満ちた大喜利をして溜飲を下げているなんて、あまりにも暗すぎる。 例えば渡辺直美のように、仕事以外の自分の世界を持って、泰然としているように見えたところがフワちゃんの魅力であり、若者の支持を得た部分だと思っていたのだけれど。 SNSとそのリアクションが、あたかも世界のすべてのような、彼女の近視ぶりを見ると、今回の一件は超売れっ子のテレビスターという過酷で特異な日常を、若い女の子が一身に背負っているがゆえに、自分を見失って起きた事故だったように思える。
誤爆は最大の悲劇である
ただ1つ言える事は、恐ろしきは「誤爆投稿」ということだ。「遅れは最大の悲劇である」という格言がある。時間を守れなかったいう、実に些細なことで、莫大な損害を被ることがあるという意味である。失敗の理由が、些細であれば些細であるほど悲劇的だ。 しかし、メール社会、インターネット社会においては「誤爆は最大の悲劇である」と言い換えたい。今回、フワちゃんが失ったものの大きさを考えると、まったく関係ない私まで怖くなって身震いがする。こんなホラーはない。 それにしても昨今の芸能界は、番組という制作されたコンテンツと、タレントの墜落する現実のニュースが、2つ合わさって成り立つショーのようだな。怖い世界だな。 【椎名基樹】 1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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