《ブラジル》借金トラブルで母子を撲殺=助命嘆願の4歳児も容赦せず
エスピリトサント州セーラ市で、母子が大型ハンマーで撲殺される悲劇が起きた。引き金は借金トラブルで、被害者から借金をしていた男女のカップルによる計画的犯行だった。母親の悲鳴を聞いて駆け付け、現場を見た4歳の息子は、犯人に攻撃を止めるよう懇願したが、彼も犯罪に巻き込まれ、容赦なく頭を殴られ、死亡したという。23日付コレイオ・ブラジリエンセなどが報じた。 事件は15日、同市ノヴァ・カラピーナ地区にある母子の自宅で発生した。警察によると、被害者のプリシラ・ドス・サントス・デアンブロージオさん(36)は高利貸しで、リカルド・エリアス・サンタナ容疑者(44)とその愛人のイアヴェリナ・ノエミア・デ・オリヴェイラ容疑者(36)は、プリシラさんに1万レアル(約27万円)の借金があったという。2人は借金から逃れるため、共謀して殺人を企てた。 捜査を担当するフェルナンダ・ディニス警部によると、容疑者たちの計画ではプリシアさんの息子のイーゴル・ガブリエル君を殺害するつもりはなく、「犯行中はイアヴェリナ容疑者が家の中で子供の面倒を見ることになっていたが、暴行の音や母親の助けを求める叫び声を聞いたイーゴル君がベランダにいたリカルド容疑者のもとに走り寄り、止めてくれるよう頼んだため、生かしておけば自分の犯行だと証言されると考えたリカルド容疑者が、口封じのために子供も殺害した」と説明した。 さらに、「この一撃で子供はけいれんを起こし始めたが、リカルド容疑者はさらに母子を殴り、とどめの一撃を加えた。子供に8発、母親に12発の打撃が加えられた」とディニス警部は話した。 リカルド容疑者は、捜査を混乱させるため、他の人物の名前を記した直筆の手紙を書き、プリシラさんの遺体の下に置いた後、被害者宅にあった携帯電話や宝石類、現金を奪い、イアヴェリナ容疑者と共に逃走したが、19日に逮捕された。2人は犯行を自白しており、凶器の大型ハンマーも押収されたという。 警察によると、容疑者2人は、他に2件の殺人と1件の殺人未遂の犯行に及んでいたという。