【闘病】トリプルネガティブ乳がん 「4cmのシコリ」はマンモグラフィに写らず…
いわゆる「普通」の生活に戻り、アートの個展を開催
編集部: 病気の前後で変化したことを教えてください。 breast_cancer_emi34さん: お酒とタバコを止めました。なので治療中が1番健康的な生活をしていたと思います(笑)。抗がん剤治療をしながらキックボクシングジムも通っていました。 調子がいい時は週6で行っていたので、副作用で脱毛してもスキンヘッドの強そうな人と思われるだけで、みんな気にしていなかったので救われましたね。それと、これまで以上にやりたいことをやる、会いたい人にはすぐ会うようになりました。 当時は「乳友(=乳がんで知り合ったお友達です)」と交流することが多かったのですが、DMで「いつか会おうね」と約束していた相手が、会う前に天国に旅立ってしまったということもあったからです。 命に限りがあることを何度も突きつけられ、様々な想いを経験しました。未来があるか分からないという不安から、今を楽しみたいとの想いが強くなったと思います。 治療後に仕事も復職しましたが、本当に人生一度きりだし、今やれることをやれるだけやってみようと会社員を辞め、画家になりました。アートを通して乳がんの啓発にも繋げていきたいと挑戦しています。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? breast_cancer_emi34さん: 現在は無治療ですが、3ヵ月毎に経過観察で病院に行っています。抗がん剤の副作用で生理が止まっていましたが、今は戻りましたし、手指のしびれは続いていますが生活に支障はありません。 髪も伸びたため、普段は自分から言わなければ乳がんサバイバーであることは誰も分からない状態です。告知前のいわゆる「普通」の生活を送っています。先日、京都でアートを通して乳がんの啓発と罹患者の集いの場を提供する個展を開催しました。 クラウドファンディングに多くの方がご支援くださり、今後は横浜、福岡でも開催予定です。検診の大切さやセルフチェックのやり方、治療中に必要なウィッグやブラジャーなどの情報交換、交流の場として約150名の方にお越し頂き、皆さまと様々な話ができました。 お陰様で生活は大変充実しています。 編集部: 医療機関や医療従事者に望むことはありますか? breast_cancer_emi34さん: 治療に関わって下さった皆様には本当に感謝しています。ただ、「何かあったら病院に電話してください」と言われていましたが、特に大学病院は実際に電話してもなかなか繋がらず、とても不便だったのでチャットなど気軽に連絡が取れる手段があるといいなと思います。 例えば、指に黒いシミのようなものが出てきたり、お腹辺りに赤いぶつぶつができたり、術後の体液の状態など副作用なのか、知らせた方がいいのか、わざわざ診察に行くほどでもないけど、気になる症状が発症することがあります。 治療は全て初めてのことばかりで慣れるまでは敏感なので、そういうちょっとしたことを手軽に連絡できる手段があれば安心できるのにな、と思います。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 breast_cancer_emi34さん: 「足るを知る者は富む」。治療中に目に留まり心に刻まれた言葉です。健康であることがどれほど有り難いことなのか。当たり前のことが当たり前じゃなくなった時に改めて「有り難さ」に気づきました。 あれもこれもと求めるばかりでは一生満足できません。ちょっと立ち止まって今の状況の有り難さに感謝し、自分が本当に好きなこと、愛と命の時間を注ぐ相手を考えることも大切だと身を持って学びました。 だからこそ、仕事で忙しいからと検診を後回しにするのではなく、自分の身体を第一優先に行動してほしいと思います。深呼吸して空を見上げる時間も忘れないでほしいですね。それから、保険はがん診断給付金(一時金)のある保険をオススメします。 私はこの一時金のおかげで心の余裕ができ、闘病中もお金の心配をせずに旅行や趣味を楽しみながら治療を前向きに受けることができました。最後に、この記事を読みながら「私は大丈夫」と思ったあなたにこそ、今月中に検診を受けてほしいと思います。