【闘病】トリプルネガティブ乳がん 「4cmのシコリ」はマンモグラフィに写らず…
楽しい想い出とともに乳房と別れ
編集部: 実際の治療はどのように進められましたか? breast_cancer_emi34さん: 抗がん剤を2週間毎に8クール、手術(乳房全摘・再建なし)、放射線治療、ゼローダ服用という約1年3ヵ月の治療でした。 実際は、手術後の病理検査で完全奏功(がんが全て消失すること)とはならず、その後の治療は治験に参加するか、従来治療を行うか、どちらも予後は変わらないので決めてくださいと主治医に言われ悩みました。 結局、調べてもどちらが最適なのか選べずセカンドオピニオンを受けました。非常に分かりやすい説明(詳しくは私のインスタグラムにも記しています)を受けて状況を整理でき、従来治療の放射線とゼローダ服用を選択しました。 がん治療は要所要所で自分が治療を選択していかなければいけません。私は自分が納得してからでないと次に進めなかったので、セカンドオピニオンを受けて本当に良かったと思います。 編集部: 受診から手術、現在に至るまで、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 breast_cancer_emi34さん: 妹に電話で報告した時に「emiちゃん、死なないよね?」と震える声で聞かれました。「大丈夫。乳がんは生存率が高いから」と動じずに答えたつもりですが、涙は止まらなかったです。 父が肺がんで、告知から3ヵ月で他界したこともあり、母や妹たちを心配させたくなかったので、治療方針が決まった後に冷静に淡々と報告しました。 できるだけ気丈に振る舞いたかったので、顔を見て報告はできませんでした。先生からの乳がん告知より、家族への報告の方が何倍も緊張しました。 編集部: 手術は怖くなかったですか? breast_cancer_emi34さん: 手術は全摘出でしたので、手術日が近づくにつれて情緒不安定になりました。テレビや広告などで見かけるグラビアアイドルに嫌悪感を抱く時期もありました(笑)。 「今は再建の技術も向上しているから再建すればいいじゃん」という意見も受けましたが、同意できずモヤモヤしていました。特に男性は乳房を再建してほしいと考えている人が多いようで、パートナーと喧嘩になったという話をよく聞きました。 再建すれば見た目は戻りますが、触感や機能は戻りませんし、いずれにせよ、何年も自分の一部として当たり前に生活してきた部分がなくなるのは寂しいものです。 私は、手術前に乳がんフォトの撮影をしたり、パートナーと温泉旅行に行ったりして、手術前の乳房との想い出をつくり、お別れの準備をしました。 悲しい記憶を楽しい想い出をセットにすることで、今思い出しても「旅行、楽しかったな~」とポジティブに思えるのでオススメです。