沈むインテル株、投資家に広がる諦めムード-経営再建は視界不良
(ブルームバーグ): 米インテルの株価は今年、軟調が続いていた。しかし、突然の最高経営責任者(CEO)の解任により、タオルを投げる投資家がさらに増えている。
インテルは2日、再建計画を進めていたパット・ゲルシンガーCEOの退社と、2人の暫定共同CEOの就任を同時に発表。株価は下落し、週間ベースでは13%安と、3カ月ぶりの大幅安となった。年初来での下落率は58%に達しており、1983年以降で最悪の年間パフォーマンスに向かっている。
ボケ・キャピタル・パートナーズの創業者で最高投資責任者(CIO)のキム・フォレスト氏は「方向音痴でリーダー不在の組織にしたいのなら、2人をトップに置くのがいいだろう」と語る。この言葉こそ、インテル株が敬遠される理由を端的に示している。ゲルシンガー氏による経営再建は確かに時間がかかり過ぎだったが、投資家にとっては、この先どうなるか分からないよりは良かっただろう。
デービッド・ジンスナー共同CEOは4日に開催されたUBSの会議で、直近のガイダンスを改めて説明し、設備投資を厳しく管理すると語ることで投資家の不安を和らげようとした。しかし、その言葉は投資家には響かず、株価は上向かなかった。KCラージクマール氏率いるリンクスのストラテジストは、「弱々しい」プレゼンテーションだったと一蹴。いったん白紙に戻す機会をジンスナー氏は逃したと語った。
インテル株のコンセンサスレーティング(買い、ホールド、売りの投資評価の比率を示す指標)は5段階中の2.96で、2023年3月以来の低水準となっている。ブルームバーグが追跡しているアナリスト52人のうち、インテル株の買いを推奨しているのはわずか7人だ。
暫定ではない新CEOが見つかるまで、多くのアナリストや投資家は様子見姿勢となりそうだ。一部には、ゲルシンガー氏の穴を埋められる候補者がいるとは思えないとの声もある。
ガベリ・ファンズのポートフォリオマネジャー、ヘンディ・スサント氏は「私はゲルシンガー氏こそがインテルにとって最善のCEOだと考えていた」とし、「製造業の経験を持つ候補者のリストが思い浮かばない。(新CEO探しは)至難の業だ」と語った。