WEリーグ得点王・清家貴子が海外挑戦へ「成長して、また浦和に帰ってきたいです」
今季、WEリーグ歴代最多となる20得点を挙げ、得点王・ベストイレブン・MVPの個人3冠に輝いた清家貴子。ゴール後の力強いガッツポーズ、浦和のエンブレムを誇らしげにアピールするパフォーマンスはお馴染みとなった。ジュニアユースから浦和一筋で、サポーターからも愛されてきた“赤い稲妻”は、来季は海外のクラブでプレーすることを表明している。今シーズンのチームの進化と取り組みを振り返りつつ、海外挑戦への思いと、7月に控えるパリ五輪への展望についても語ってもらった。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真提供=WEリーグ)
連覇を導いたチームの成長「自主的に解決する力はトップレベル」
――今季は楠瀬直木監督体制3シーズン目での2連覇達成となりました。2019年の森栄次前監督体制から積み上げてきた成熟度に加えて、楠瀬監督の下で若手選手も主力に定着するなど、選手層の底上げが見られました。昨年からのチームの進化をどんなふうに感じていますか? 清家:昨年に比べると、チームの修正力や考える力はさらに成長できた部分だと思います。ほとんどの選手が前監督の森(栄次)さんの時から積み重ねてきている中で、選手が自主的に考えて解決する力は、WEリーグの中でもトップレベルじゃないかなと。ただ、その中心が(安藤)梢さんと(猶本)光さんだったので、2人がケガで抜けてしまったことは本当に残念でしたが、その中で、自分たちのサッカーをどんな相手にも作り上げることができるようになってきたことは成長できたところだと思います。 ――2人が離脱して以降は、塩越柚歩選手と島田芽依選手、伊藤美紀選手との前線の強力なホットラインで得点を量産していました。 清家:3人とは後期から一緒に試合に出ることが多くなりましたが、練習の中から連係を積み上げていきました。梢さん、光さんとは違うリズムや距離感で、試合を重ねるごとに呼吸が合うようになったと思いますし、今はリズムやタイミングが合うので一緒にプレーしていてすごく楽しいです。 ――清家選手は10試合連続ゴールという日本プロサッカー界の新記録も作りましたが、メンタル面ではどんなところが成長したと感じていますか? 清家:自分自身は得点してチームメートやファン・サポーターのみなさんが喜んでくれる瞬間が一番好きなので、そういう幸せな時間を得るために頑張れた部分が大きいですね。技術的な部分でも自信がついたぶん、よりゴールに貪欲になれたというか。「ゴールがないと物足りない」という気持ちが生まれて、シュート練習も増やしましたし、それはいい変化だと思います。ただ、連続ゴールを目標にしていたわけではないので、プレッシャーもかなりありました(苦笑)。10試合目の仙台戦以降は、チームのために何が効果的かを考えてプレーしていました。