WEリーグ得点王・清家貴子が海外挑戦へ「成長して、また浦和に帰ってきたいです」
連戦を戦い抜くために食事の質と量を重視
――後期は過密日程もありましたが、戦い抜く上で食事面などで心がけていたことはありますか? 清家:今シーズンは本当に試合数が多くて、代表活動か(リーグが)連戦か、という感じで、中2日、中3日での試合が多かったので、とにかく糖質とタンパク質を摂ることを意識していました。家でもご飯を作って食べますが、毎日となると飽きてしまうし、たくさん食べるとなると辛い部分もあったので、応援してくださっている練習場の近くのうどん屋さんに通って、カレーうどんをよく食べていました。 ――米よりうどん派ですか? 清家:うどんが食べやすいですし、好きですね。でも、お米もよく食べます。そのうどん屋さんでは、いつもうどんとお米をセットで食べていました(笑)。食事ではもちろん質も大事ですが、リカバリーのためにまず量を確保して、とにかくたくさん食べることを意識していました。 ――たくさん食べてしっかり休むことが、コンスタントに活躍できた秘訣でもあるんですね。他に、体づくりで意識したことはありますか? 清家:リカバリーの質が問われるシーズンだったので、チーム全体のルーティンとして、試合後の交代浴はかなりやるようになりました。あとは体のマッサージやケアもかなりしっかりやっていたので、自分のリカバリーのリズムができたと思います。
タイトルを置き土産に海外挑戦へ。ポジティブな性格も強みに
――清家選手は来季は海外挑戦が決まっていますが、浦和でのラストシーズンとなった今季、優勝してMVPと得点王を受賞したことについてはどう感じていますか? 清家:本当は昨シーズンが終わった段階で移籍しようかなと考えていたんですけど、もっとこのチームで成長できること、学べることがあると思いましたし、今まで育ててくれた浦和レッズにもっと恩返しがしたいという思いもありました。1年残って、いろんなものをこのチームに残すことができて良かったです。 ――その中で、改めてこのタイミングで海外挑戦を決断した決め手は何だったのですか? 清家:去年のこの時期と今年の冬にオファーが来て、悩みましたし、行くかどうかという瀬戸際だったのですが、光さんと梢さんに相談したら、「まだこのチームで学べることはある」と言われたんです。たしかにそうだなと思い直して、「このチームで学べるすべてのことを吸収しよう」と考えて1年間プレーしました。その上で、今シーズンは自分の可能性を試すためにチャレンジしてみたいと思いましたし、短いサッカー人生でいろんな経験をして、自分のレベルを上げたいという思いがあって、チャレンジすることを決めました。でも、浦和レッズに対する愛は本当に大きいので、海外で成長して、数年後にまた浦和に帰ってきたいです。 ――海外に行くと決めるにあたって、相談した人はいましたか? 清家:レッズでは(海外経験のある)梢さんと光さんに話を聞きましたし、代表では熊谷紗希選手にも相談に乗ってもらいました。チーム選びの部分や、海外での戦い方、「最初にガツン!と活躍しないとパスがもらえないよ」とか。あとは生活面についても、いろいろなアドバイスをいただきました。光さんから聞いた話では、「最初は自分のことを何も知られていない状態で行くので、なかなかパスが回ってこない。でも、最初の方で、一発で点を決めたり活躍したりすればパスが集まってくるよ」と聞きました。だからこそ、最初の数試合は大切だと思います。個で突破して点を取るプレーは自分のストロングポイントなので、そこは最初から見せていきたいと思いますし、技術的な部分ではスピードもパワーも上がると思うので、レベルアップしなければいけないと思います。 ――海外の選手は自己主張がよりはっきりしていると言われますが、そんな中でも、安藤選手から「キコリンなら大丈夫」と太鼓判を押されたそうですね。誰もが認める清家選手のポジティブな性格は強みになりそうですか? 清家:たしかに、「ポジティブだね」ということはめっちゃ言われます(笑)。代表で海外クラブ所属の選手に、英語もまだ喋れないし大丈夫かなぁ?という感じで聞いても、「絶対大丈夫だよ!」とみんなに言われるんですよ。そこまで心配していないのですが、本当に大丈夫なのかな……(笑)。いろんな要求が飛んでくると思いますが、英語が喋れるようになったら自分からも積極的に要求できるようにしていきたいですね。