WEリーグ得点王・清家貴子が海外挑戦へ「成長して、また浦和に帰ってきたいです」
自身2度目の世界大会へ。ワールドカップの悔しい思いを糧に
――来シーズン以降、浦和のチームメートに期待することや、下部組織の選手たちに送りたいメッセージはありますか。 清家:自分の作った20得点という記録を超す可能性を秘めた選手はたくさんいると思うので、記録を破るのはレッズレディースの誰かであってほしいと願っています。自分が15年前にジュニアユースに入って、中学1年生だった頃に梢さん率いるレッズレディースが浦和駒場スタジアムで優勝したのを見て本当にかっこいいなと思いました。その試合後に一生懸命紙吹雪を掃除しながら、「自分もここに立ちたい」と。自分たちの姿を見て、下部組織の選手たちがその夢を持ってくれたら嬉しいですし、自分には浦和の血が流れているので、海外でも活躍して背中で見せていきたいと思います。 ――パリ五輪は、清家選手にとって昨年のワールドカップ以来2度目の世界大会となります。どんな大会にしたいですか。 清家:たくさんの方が応援してくれていますし、そういう方々の期待に応えたいという思いが一番強いです。昨年のワールドカップでは、悔しい思いをしました。出場時間が少なかったこともそうですし、準々決勝のスウェーデン戦で途中出場しましたが、点を取って逆転できなかった。だからこそ、パリ五輪では世界の舞台でさらにいいプレーをして、日本チームとしてももっと上を目指したいですし、個人としてももっともっと選手として成長できるような大会にしたいと思います。何より、今は自分自身のコンディションがいいので、世界を舞台に戦えることがすごく楽しみです。パリ五輪はワールドカップの悔しさを晴らすチャンスだと思うので。自分は得点の部分で関わりたいですし、個の突破力はさらに高めていきたいと思います。 <了>
[PROFILE] 清家貴子(せいけ・きこ) 1996年8月8日生まれ、東京都出身。三菱重工浦和レッズレディースのジュニアユース、ユースを経て、2014年にトップチームに昇格。1年目で8ゴール、2年目も9ゴールを決めて、なでしこリーグ1部新人賞に輝いた。抜群の動き出しとスピード、シュートセンスを活かし、サイドハーフ、サイドバック、ウィングバック、FWなどでプレー。今シーズン、WEリーグで日本プロサッカーの連続ゴール記録を塗り替える10試合連続ゴールを記録、20得点を挙げて得点王に輝いた。また、ベストイレブン、MVPと合わせて個人3冠を受賞。昨夏の女子ワールドカップでは3試合に出場。5月末に海外移籍が発表された。今夏のパリ五輪メンバーにも選出。大舞台に強いメンタルの持ち主で、日本の得点源として活躍が期待される。
インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]