風間トオル、“何もできなかった”俳優デビューから35年 ベテランのアドリブに驚かされた作品が転機に
◆俳優デビュー35周年 ベテランのアドリブに驚かされた作品が転機に
「MEN'S NON-NO」などでモデルとして活躍し、1989年放送のドラマ『ハートに火をつけて!』で俳優デビューを果たしてから35年が経つが、元々俳優志望だったわけではなかった。 「お芝居とかやったことがなかったので、実際にテレビで自分の演技を見てびっくりしました。仕事として全然できてないなって。セリフを言っても聞き取れないから、浅野ゆう子さんがお客さんに伝わるように僕のセリフをリピートしてくれたこともありましたね」。 そんなスタートから、35年続けられたのは「皆さんのお力のおかげ」と感謝する。 「ゆう子さんもそうですが、周りの俳優の方たちが、僕があまりに何もできなかったので、自分の出番じゃないところでもセリフ合わせをしてくれました」。 そんな35年の俳優人生の中でターニングポイントとなった作品を聞くと、1991年公開の岡本喜八監督による映画『大誘拐』を挙げた。 「初めて映画って面白いなと思わせてくれた作品で、やっていて面白かったです。前もって台本を読んでいるんですけれど、『この後どうなるんだろう?』っていうくらい、役者さんが台本通りじゃないことをするパターンが多くて(笑)。『え!こんなアドリブしたら次どうなるんだろう?』という楽しみがありましたね。1ヵ月くらいみんなで同じ旅館に泊まっていたのですが、言えないハプニングがいっぱい(笑)」。 それまでトレンディードラマで共演するキャストとは年齢も経験も違う、北林谷栄、緒形拳、樹木希林とベテランぞろいの共演陣からは学ぶことも多かった。 「演じる人物の、生きている前後が見えるということが大事だなと感じさせられました。昔どんな子が大きくなって今こういうことをしているのか、そういうプロセスが見えると言いますか。演じるのはすごく難しいんですけど、そういうことをやっている方が多かった。体から何か違うものが出ているなと感じました。緒形拳さんは、演じている時のダイナミックさと、普段はこんな適当でいいんだ!というギャップっていうんですかね…そのギャップもまた演技で使うんだと思うんですけど。何かを言われて衝撃を受けたというよりは、いろいろ見させてもらって教えてもらったという感じがあります」。 ドラマ以外にバラエティー番組などでも活躍する風間。今後の活動の目標などはあるだろうか? 「ドラマに出る前は『笑っていいとも!』などのバラエティーにも出ていましたし、楽しいのは好きなんです。俳優としては、コメディが好きなんで、コメディができる人になりたいですね」。 60代になっても、変わらない大人の男の爽やかさでイケオジぶりを発揮している。 「体のために運動は定期的にしてますね。役がある時はそれに適合した筋肉をつけたりしますが、最近はそんなに筋肉をつける役もないので少し楽です(笑)。夏なので泳ぎたいんですけど、日焼けしちゃうじゃないですか。それは『科捜研』に支障が出てしまうので。クランクアップしたらがむしゃらに泳ぎたいなと思っています」。(取材・文:渡那拳 写真:上野留加) ドラマ『科捜研の女 season24』は、テレビ朝日系にて毎週水曜21時放送。