自閉症の二次障害を防ぐには? 子どもの強い心を育てる2ステップ
自閉症の二次障害は予防できます
自閉症の二次障害を起こさないためには、予防が一番です。そのためには、自閉症の早期発見と正しい理解が不可欠です。 子どもが自閉症だとまだ気づいていない親は、「気合が足りない」「怠けている」と思ってしまい、「なぜ言うこと聞かないですぐ怒るの?」「どうして運動会にうちの子だけ出られないの?」と不安になって焦り出します。すると、「がんばれ!」「できるよ!」という励ましが、次第に「しっかりやりなさい!」「なんであなたはできないの?」と叱咤激励に変わっていきます。すると子どもは「頑張ってもできない」「自分はダメな子なんだ」と傷つき、落ち込んで動かなくなったり、「ギャー!」と奇声を上げるようになります。悪い状況がエスカレートすると、対応はますます難しくなっていきます。誤った対応を長引かせないために、二次障害は予防することがとにかく大事です。 二次障害の予防には2つのステップがあります。 ●ステップ 1:肯定的な声かけをする 周囲の大人ができたところに注目する肯定的な声かけを続けることで、子ども自身が自分のできたことに注目する習慣が身につくようになります。 ●ステップ 2:自己効力感を育てる 子どもが自分のできたことに注目する習慣が身につくと、「自分はきっと大丈夫!」という未来の自信=自己効力感が育ちます。 自己効力感が育っていれば、たとえ友だちに「バカ!」と言われても、「自分はバカでダメな存在なんだ……」とはなりません。「へえ、君はそう思うんだね! ぼくは自分のことをバカとは思わないよ」というふうに、人は人、自分は自分という考え方ができるので、過度に落ち込んだり、自暴自棄になることはないのです。 いまはどんなに格好良くても、頭が良くてスポーツができても、いじめの対象になる時代です。いじめやからかいに負けない心の強さは、親の毎日の声かけで育てることができます。
今川ホルン