夏の甲子園地方大会ならではの名勝負!胸を熱くしたドラフト候補同士の対決4選!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.29』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 猛暑の中、地方大会が行われています。ノーシード校のジャイアントキリング、強豪校同士の対決、ドラフト候補同士の対決など、地方大会にも様々なドラマがあります。 <「高校野球ドットコム」が選ぶ『トッププロスペクト123名』!> 今回は思い出深い「地方大会で実現したドラフト候補同士の対決」4試合を紹介したいと思います。
8年経った今でも思い出深い千葉の激闘
Case1:2016年千葉大会準々決勝 早川 隆久投手(木更津総合)vs島 孝明(東海大市原望洋) チームをセンバツベスト8に導いた全国クラスの左腕・早川投手、 最速153キロ右腕・島投手の投げ合いが千葉大会の準々決勝で実現しました。試合会場のQVCマリンフィールド(現・ZOZOマリンスタジアム)は、内野席が埋まるほどの大観衆でした。先発した早川投手はこの大会、大当たりだった東海大市原望洋の強力打線を完封。140キロ前半と切れ味鋭いスライダーは別格でした。一方の島投手は7回一死二塁から登板し、7回、8回と無失点に抑える好リリーフでした。常時140キロ後半・最速150キロをマークし、観衆を沸かせました。 島投手の前に登板したのが当時2年生だった金久保 優斗投手。1失点しましたが、140キロ中盤の速球を投げ込んでいました。高校生でこれほどハイレベルな投手戦はなかったと思います。早川投手は早稲田大から楽天へ、島投手はロッテ、金久保投手はヤクルトと全員がプロ入りしました。今でも思い出深い試合です。
Case2:2017年大阪大会準決勝 徳山 壮磨投手(大阪桐蔭)vs安田 尚憲内野手(履正社) センバツ決勝を戦った両校が夏の準決勝で激突。徳山投手は完成度の高いエースに成長し、安田選手は“西日本最強スラッガー”として評価されていました(ちなみに東日本最強は清宮幸太郎選手)。 徳山投手は立ち上がりから走者を許す展開でしたが、粘り強い投球で抑えます。先制した大阪桐蔭でしたが、4回裏に履正社が3点を入れて、逆転します。大阪桐蔭はじわじわと追い上げ、逆転に成功します。そして7回に、ここまで3打数1安打の安田選手が打席を迎えます。ここまでの打席内容は三振、左飛、左前安打でした。4打席目は外野の奥深くへ打球を飛ばしましたが、ボールはあらかじめフェンスよりに守っていたセンター・藤原恭大外野手(ロッテ)のグラブに収まりました。 これで履正社の勢いを絶った大阪桐蔭は、9回にも集中打が飛び出し、8対4で勝利しました。徳山投手は完投勝利を収めました。この試合を経験してからの徳山投手は甲子園、U-18大会で140キロ後半の速球を投げ込み、一段と成長していました。安田選手は最後の試合は本塁打はなかったとはいえ、最後のセンターフライは凄みを感じました。