環境省の国民運動「デコ活」の普及を図る脱炭素商品やサービス販売のECサイト「つなぐ市場」とは?
再エネ価値取引事業などを手がける電力シェアリングは10月、全国の脱炭素商品やサービスの販売を取り扱うECサイト「つなぐ市場」を開設する。電力シェアリングが環境省の委託を受けて実施する脱炭素商品の普及を図る「デコ活」ナッジ実証事業の一環。 環境省の「デコ活」とは、「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の愛称。「デコ」はCO2を減らす脱炭素(Decarbonization)の「DE(デ)」と、エコ(Eco)を掛け合わせた造語。「ナッジ」とは「そっと後押しをする」といった意味を指す。環境省は脱炭素の取り組みを消費者が自発的に参画することを促すため、新たな政策手法を検証する「ナッジ実証事業」を進めている。 電力シェアリングが環境省から受託している「デコ活」ナッジ実証事業の内容は、地産地消、再エネを利用した栽培など生産時や輸送時におけるCO2排出量削減に資する農産品などの販売を促進するモデルを構築する実証実験。8月からは実店舗による取り組みがすでにスタート、オフセット証書を用いるなどして脱炭素化した商品にオフセット済を証明する電力シェアリング規格のラベル「グリーン・ライセンスシール」を貼り、通常品を並べて販売するなどしている。 「グリーン・ライセンスシール」を貼った商品は通常品より数%高い価格設定で販売。現時点で5事業者・5店舗で、野菜・菓子・醤油・工芸品の実験販売を行っている。 「つなぐ市場」は、デコ活ナッジに向け、効果検証のため「脱炭素地域名産品全国商店街(仮称)」の実験ECサイトを構築するというもの。ECサイトでは、「グリーン・ライセンスシール」を貼っての販売など実験を行う。ECでの販売実験に協力する自治体や販売事業者の募集も行っている。 また「つなぐ市場」では、小規模な生産・流通・販売事業者がマーケティングなどの専門知識がなくても効果検証手法や先行実験結果といったデータにアクセスし、マーケティング実験を行い持続可能性を高めるような機能を付加することをめざしているとしている。そのほかオープン・低コストで、ナッジ手法や活動実績がシェアされていくようなマッチング・サイトとしての役割も追加したい考え。