無料通話の次は「対話型AI」だ 楽天グループが「Rakuten Link AI」で描く世界とは
Rakuten Link AIは楽天グループのさまざまなサービスとも連携
Rakuten Link AIのアピールポイントとして、ツァイ氏は「Rakuten最強プラン」の契約者ならRakuten Linkアプリ内で無料で利用できる点を挙げた。 「新しいアプリはダウンロードしたり、アカウントを新たに作成したりする必要はない。新しいユーザー名とパスワード、余分なサブスクションフィー(追加費用)も不要。複雑な手続きなしにRakuten LinkアプリからRakuten Link AIを使い始められ、生成AIを活用できる」(ツァイ氏) Rakuten Link AIは、先の一例のようなやりとりだけでなく、楽天グループのさまざまなサービスとも連携する。例えば、「楽天市場でおすすめの和菓子」と入力すると、Rakuten Link AIが自動検索でいくつかおすすめの和菓子をピックアップする。「楽天トラベルでおすすめの旅館」という入力に対しては人気旅館を提案し、予約まで支援する。楽天ブックスで人気の本や興味のある本もすぐに提示する。 さらに、Rakuten Link AIで楽天モバイルのデータ使用量や請求など、楽天モバイルの契約内容をリアルタイムに回答し、ユーザーによる複雑な操作や検索は不要になる。回答には楽天グループが持つサービスとRakuten Linkアプリに関するよくある質問から得られた独自のデータベースを活用している。
Rakuten Linkは「ユーザーのフィードバックをもとにUI/UXもアップデートする」アプリに
Rakuten Linkそのもののアップデートもあった。 これまでRakuten最強プラン契約者は毎月のデータ利用量や利用料金をRakuten Linkではなく「my 楽天モバイル」で確認する必要があったが、これらの情報をRakuten Linkでも確認可能になった。my 楽天モバイルへもリンクするため、「契約内容やオプション内容の詳細も確認できる」(楽天グループ マーケティングディビジョンエコシステム戦略統括部 執行役員ディレクターの波邊昌資氏)ようになった。 連絡先の検索のみとなっていた検索機能もアップデート。ホーム画面で連絡先やメッセージ、公式アカウントを一括で検索可能になった。 Rakuten Linkアプリのアイコンも変更となった。Rakuten LinkアプリからRakuten Link限定の特典、スーパーポイントスクリーン、ポイントがもらえるミッションの他、楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックス、楽天証券など、楽天グループのサービスにもアクセスできるようになり、楽天グループとの一貫性を強めたアプリへと進化した。 波邊氏は「Rakuten Linkが国内通話かけ放題になる点が楽天モバイル契約理由のトップ5にランクインしている」ことを挙げ、アップデートの重要性を示した上で、「ユーザーのフィードバックをもとにUI/UXについてもアップデートしていく」と述べた。 楽天モバイルとしてはこれまで「国内通話が無料でかけ放題」をベースとなる訴求ポイントとし、ニュースを読めるようにしたり、楽天ポイントのバーコードを表示できるようにしたりと、Rakuten Linkのアップデートを重ねてきたが、AIが絡むことで楽天グループがRakuten Link AIで描く「真の利便性」が少しずつ見えてきた一方で、楽天グループが一般ユーザーにAIをどう訴求していくのかも気になるところだ。Rakuten Linkのアップデートはこれからが正念場ではないだろうか。
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