定年・再雇用で給料ダウン それでもありがたい「お金」だけじゃない子育て支援 息子は3歳 還暦パパの異次元子育て
還暦を迎えたベテラン新聞編集者が遅ればせながらパパになり、子育てに奮闘中。3歳の息子との日々で思うこと、感じたことを綴ります。 【表】「4人家族で1カ月に必要な金額」京都総評の試算と内訳 かれこれ3年住んでいる東京都足立区で、先週、一風変わった記者発表会があった。 とかく持たれがちなマイナスイメージを払拭しようと、新たに決まったキャッチコピーがなんと「ワケあり区、足立区。」。 高齢子育て中のわが家にもぴったりと勝手に解釈して、ニヤリとした。 一見、自虐的なキャッチコピーを堂々と掲げて伝えるのは、自然環境や、住みやすさ、起業支援が受けられることなど、区民らが語るポジティブな「足立区に住むワケ」。子育て環境もその一つで、たとえば「おいしい給食」が素晴らしい。息子も区立保育園で毎日平らげてくる。 ■地域で育つ息子の〝絶対味覚〟 近藤弥生区長は、東京のゴミに残菜が多いことに着目したそうだ。「食べれば栄養、捨てればゴミ」となるため、食べ残しを減らすように取り組んだ。各校に栄養士を配置して、無化調(化学調味料なし)で、天然だしを取って調理しているという。 「絶対音感ならぬ〝絶対味覚〟を子供のうちから身につけさせたい」という方針のもと、区内特産の小松菜を含めた野菜と、肉、魚を使った給食レシピもホームページなどで公開。地域限定で、コンビニエンスストアでも一部メニューが販売されたこともある。本当においしい。 息子は「保育園で、ミソラーメンたべた」といって、具のネギやニンジンを残さなくなった。キュウリとワカメの酢の物や、ホウレンソウの白あえまで大好物に。ピーマンは、「ママのつくった肉詰めおいしい」と言ってもりもり食べるようになった。たしかに絶対味覚が育っている。 少子化対策、子育て支援というと、どうしても「お金のバラマキ」ばかりが注目されるが、こうした「子の育ち」にまつわるサポートこそ支えになる。 住民の〝身びいき〟で足立区のことばかりを書いてしまったが、千葉県流山市や奈良県王寺町など、子育て環境が充実した自治体の住みやすさが、各地で注目され始めている。 もちろんお金も大切だ。