32歳でパニック障害を発症したベアーズ創業者。それでも事業を拡大できたのは…家事代行サービスのパイオニアが実践した<2つの戦略>
◆ハウスクリーニングとの違い ただ、中には家事代行サービスとハウスクリーニングの違いを理解しないまま書いた記事が新聞に掲載されることもありました。 ハウスクリーニングは、プロの知識を持つ専門家が、プロの機材や洗剤を使い、エアコンや換気扇などを分解・洗浄するものです。 掃除、料理、洗濯、買い物、片づけや水やりなど、本来は家族でもできる日常の家事を請け負う家事代行サービスは、それとは全く異なります。 「家事代行サービスのPRが足りなかった」と反省した私は、大手新聞社にアポなしで乗り込み、記者の方たちを相手にプレゼンしました。 ハウスクリーニングと家事代行サービスの違いを説明した上で、2つのことを伝えました。 1つは、「私たちベアーズは、人々の暮らしを支えるインフラになることを目指している」ということです。 家事代行サービスの産業をつくれば、若いカップルがキャリアをあきらめたり、家事や育児でけんかをしたりすることはなくなります。日本の子育てを明るく楽しく幸せなものにできると訴えました。 もう1つは雇用についてです。 「家事代行サービスは高齢の方でも、自らの家事や子育ての経験をベースに担える。少子高齢化が進む日本で、高齢者もイキイキと活躍できる場を提供することで、社会を活性化できる」ということです。 記者の方たちも興味を持って聞いてくださり、以後、ベアーズを取材していただく機会は格段に増えました。 ※本稿は、『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)の一部を再編集したものです。
高橋ゆき
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