いまビジネスリーダーたちが注目している、2025年の「4つのトレンド」#TrendBuzz
4. 「礼節の欠如」に向き合う
激烈な論争を繰り広げたアメリカ大統領選挙が終わり、リーダーたちは今こそ、憂慮すべきほど蔓延した職場における「礼節の欠如」(Incivility)に向き合うときだと気づいています。 アメリカ人材マネジメント協会(SHRM)は、職場における「礼節の欠如」が、アメリカの企業全体にとって1日あたり20億ドル(約3,100億円)の損失になっていると見積もっています。 職場における礼節の欠如を経験した人は、回復するまでに平均31分かかります。ですから、生産性に影響が出るのです。 SHRMのCEOであるJohnny C. Taylor Jr.氏は、そう説明しています。 Fast Companyでは職場での礼節について、礼儀正しさや他者への敬意など、職場で日々共有する一連の振る舞いであると定義しています。 礼節は、マナーや礼儀のほか、他者の権利や懸念や感情に対する意識を通して示されるもの。私たちは必ずしも同僚と意見が同じではないですし、そうなる必要もありませんが、自分の意見を言葉に表すことは必要です。相手の意見に敬意を払い、それを認めることも同様。 礼節の欠如とは「相手の話を遮る」「成果を独り占めする」「偉そうに話をする」などの些細なことから「相手を無視する」「公の場で辱める」「相手を貶める」など、もっと悪意のあるものまでさまざまです。 深刻さの度合いに関係なく、礼節の欠如は周りの人を傷つけ、彼らが優れた仕事をするのを妨げます。 リーダーたちは2025年、礼節の欠如に積極的に取り組むでしょう。Fast Companyの調査研究では、礼節について3つの習慣を浸透させることをすすめています。 自分自身の反応に気づく 考えなしに応答しないようにする 明快なコミュニケーションを心がける 意見が対立しているときでも、こうした習慣が身についていれば、社員は再び冷静に頭を使い、より建設的なコミュニケーションをとることができるのです。 生活のあらゆる面で急速に変化が進む時代において、リーダーは、雑音を遮りつつ、自分の会社にとっていちばん重要な問題に集中する方法を見つけなければなりません。 これらの問題を優先的に深く考えることにより、リーダーは課題に正面から取り組み、それをチャンスに変えることができるのです。 ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズに出てくるリトルフィンガーのセリフに、「Chaos is a ladder(混沌はハシゴだ)」という言葉があります。 目先が利くリーダーは、ほかの人には見えないチャンスを見抜き、ハシゴを上って、会社を新たな高みへと引き上げることができるのです。 Source: accenture, Korn Ferry, Supreme Court of the United States, Littler, NeuroLeadership Institute(1, 2, 3), The Wall Street Journal, nature, Venture Beat, SSRN, Science Direct, SHRM, npr Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
浅野美抄子(ガリレオ)