いまビジネスリーダーたちが注目している、2025年の「4つのトレンド」#TrendBuzz
2. ハイブリッド・ワークへの決断を迫られる
ここ数カ月間で、複数の大企業が「近いうちに社員に対して週5日のオフィス勤務に戻るよう要求する」と発表しました。 2024年第3四半期には、33%の企業が、社員に週5日のオフィス勤務を求めました。この数字は、第2四半期の31%から増加しています。それまで5回の四半期にわたって一貫して減り続けていた傾向が上昇に転じたことは、注目すべき点です。 2025年は、企業がハイブリッド・ワークについて長期的にどのような決定をするか考える年になると私たち(Fast Company)は思っています。 この5年間、フレキシブルなリモートワークの方針を試した多くの企業は、社員に「どこでどのように働いてもらうか」決断しようとしています。そして、どんな決断をするにせよ、その結果と向き合うことになるでしょう。 フルタイムでオフィスに戻るのは理にかなっていると思う方もいるかもしれませんが、調査の結果は、ハイブリッド型の職場に明らかなメリットがいくつもあることを示しています。 たとえば、2024年に学術誌『ネイチャー』に発表された論文によると、Trip.com社では、ハイブリッド・ワークは生産性や成果に影響を及ぼさなかった一方で、離職率が33%減り、採用やトレーニングにかかる多額の費用が節約されたことがわかりました。 Fast Companyの調査では、オフィスに戻る方針が逆効果になる可能性があることが示されました。 全員が同じ建物で働いていると、同僚同士のつながりはしばしば強くなるものの、それ以外のつながり、つまりリーダーや雇用主とのつながりや、自分の役割とのつながりは悪化する場合があるからです。 そこでFast Companyでは、一緒にいることのメリットを最大化しながら、社員の自律性を維持できる、ハイブリッド・ワークへの4つのアプローチをすすめています。
3. AIへの警戒を強める
生成AI導入の第1波は、明らかな熱意と熱狂が特徴でした。 リーダーたちは、ビジネスのやり方を革命的に変える可能性に気づきました。単調な作業を不要にする一方で、データに基づいた洞察を行ない、効率を上げ、革新性を高められることを知ったのです。 そして第2の波で、リーダーたちは生成AIを試し、社内で大規模に導入しはじめました。 第3の波が起きているいま、リーダーたちは生成AIという技術に、課題と可能性の両方を見出し、進むべき道について戦略的に考えようとしています。 リーダーたちは、生成AIにはハルシネーションやバイアスのような問題があることを学びました。また、生成AIに依存しすぎる問題が起きていることや、社員の洞察力を鍛える必要性があることも認識しています。 私たちは、生成AIの使い方次第で、創造性が豊かにも貧弱にもなり、イノベーションに大きな影響を及ぼすことを学んでいます。 最近の研究では、生成AIは、短編小説を書くのが苦手な人の創造性を豊かにしたものの、小説のアイデアの多様性を減少させたことが示されています。 つまり、生成AIの力を借りた物語は、人間が自力で書いた物語と比べると、互いに似通っていたのです。それは、「平均への回帰」という危険な徴候を表しています。 さらには、AIに頼りすぎると、人は洞察を自分で生み出さなくなる可能性があります。 Fast Companyでは、脳内で洞察が生み出されるプロセスを研究してきたのですが、そのなかで、「洞察の強さ」は、洞察に基づいて行動するための意欲と相互関連していることがわかりました。 ですから、私たちが自分で洞察することを放棄し、自分の代わりにAIに洞察させるなら、我々自身の大事な意欲の源がAIに奪われることになるのです。 2025年には、リーダーたちは立ち止まり、AIの使い方をもっと警戒するようになるでしょう。そして、どうすればAIが従業員たちの人間性や創造力を奪うことなく、それらを高めるツールとして使えるようになるかを考え出すでしょう。