【宝塚記念】本命候補はプラダリア、「京都芝2200m」「タフな馬場」は最高の条件 対抗候補にドウデュース
京都芝2200mは先行馬が有利
今年の宝塚記念は阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事で、京都芝2200mに舞台を移して開催される。 【宝塚記念2024 推奨馬】勝率83.3%の必勝データに該当、能力No.1で突き抜ける! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 阪神芝2200mは1角までの距離が525mと長く、スタート後が下り坂でペースが上がりやすいが、京都芝2200mは1角までの距離は約400mと阪神よりは短く、3角の上り坂までは平坦でペースが上がりにくい。上級条件では3角まで脚をタメて、3角過ぎの下り坂で勢いに乗せて一気にペースアップする傾向にある。 スローペースになりやすく、京都芝2200mを舞台に行われた京都記念の直近10回を見ても、逃げ馬の1勝を含めて3角5番手以内が9勝と、平均出走頭数が11.4頭と少ないことを考慮しても先行馬が活躍している。重馬場で行われた2018年もペースが上がらず、かなりのスローだった。 それ以上に馬場が悪化した2020年はアメリカズカップが大逃げを打ったこともあり、2着に追い込み馬のカレンブーケドールが入ったがこれは例外で、ペースが上がりにくいことの方が多い。 今年の宝塚記念も当日は雨予報で馬場悪化が予想されるが、大逃げ馬は不在。よって先行馬を中心視したい。
能力値1~5位の紹介
【能力値1位 ジャスティンパレス】 昨年の天皇賞(春)で悲願のGⅠ制覇を達成した。このレースはタイトルホルダーが逃げて主導権を握り、前半~中盤が速かったが、3角手前で同馬が下がったことで大きくペースが緩んだ。 ジャスティンパレスは五分のスタートから中団やや前目を追走し、3~4角の下り坂でディープボンドを追いかけて進出。4角では2列目の外に出して上手く押し上げたことが功を奏しての優勝だった。しかし、この天皇賞(春)が最高指数で、今回のメンバーではNo.1。そのため長距離がベストの馬といえる。 昨年の天皇賞(秋)でも2着しているように、芝2000mもこなせない距離ではない。ただ、これは勝ち馬イクイノックスが走破タイム「1分55秒2」というスーパーレコードを記録したレースだったことは留意しておきたい。 空前絶後の緩みない流れを、ジャスティンパレスは後方2番手から3~4角で仕掛けを待って最内を立ち回り、ロスを抑えて直線序盤では大外に誘導して結果2着。かなり展開に恵まれていた。 前走のドバイシーマクラシックは折り合いに苦労して2列目の内と先行したこともあり、2着のシャフリヤールから1馬身+クビ差の4着完敗だった。 とはいえ、先行したことで能力を出し切れていないと考えれば、今回の出走においては好材料。近走はスタートが悪くなっているので位置を取りに行けば追走が忙しくなり、後方のままでは届かない可能性が高いが、馬場悪化で先行馬にとって楽な競馬にならない見込みなのはいい。2、3着ならありそうだ。 【能力値2位 ドウデュース】 強力な現5歳世代、日本ダービーではあのイクイノックスを倒した馬。その年の秋はフランス遠征、2戦ともかなりタフな馬場だったこともあり結果を出すことができなかった。 しかし、全く能力を出せなかったことからエネルギーは溜まっていた。帰国初戦、阪神芝2200mで行われた高速馬場の京都記念では3~4角で位置を上げ、直線序盤でグンと伸びて一気に先頭に立つという競馬。2着に3馬身半差をつけて圧勝した。 前々走の有馬記念は平均ペースのなか、3角から仕掛けて抜群の末脚で差し切り勝ち。GⅠ・3勝目を挙げた。今回は実績、実力ともに上の存在で距離も問題ない。 フランスの重馬場では別馬のように力を発揮することができなかったが、凱旋門賞はまるでダートのような馬場だっただけに、こなせなくて当たり前だろう。 前走のドバイターフは4番枠から出遅れ、最後方付近から中団の最内まで挽回していく競馬で5着。ある程度レースが流れていたところで出して行った分、折り合いを欠いてしまったことや、最後の直線で狭い内から捌くロスもあったのが敗因と考えられる。 前走で能力を出し切っていないため、今回は前進も見込める。対抗候補だ。 【能力値3位タイ ローシャムパーク】 デビュー4戦目の山藤賞では、中団外から捲って後続に7馬身差をつける圧勝。古馬3勝クラス級の指数を記録した。この指数は翌日の皐月賞(勝ち馬:ジオグリフ)でも上位入線できるほどの数字で、実際この時の山藤賞2~4着馬は現OP馬。つまり、この時点で将来の活躍は必至の存在だった。 昨年は順調に使われ、函館記念で重賞初制覇。次走はオールカマーに矛先を向けた。13番枠からやや出遅れたが、タイトルホルダーが淡々と逃げて向正面では隊列が縦長になる展開を、外から強気に押し上げて3角では好位の外につけた。3~4角は中目を通って4角出口で外に誘導されると、直線序盤では一気に2列目に並びかけ、ラスト1Fでタイトルホルダーを捉えて1馬身1/4差で完勝した。 前走は長期休養明けで大阪杯に出走。2番枠からまずまずのスタートを切ったが、窮屈になったため下げて後方からの追走になった。向正面では外から2列目に上がったが、内のベラジオオペラに抵抗されてしまった。その結果、3~4角でペースが上がっていくなかで2頭分外を回る形となり、4角出口ではやや置かれたが、もう一度盛り返した。ラスト1Fでもベラジオオペラに食らいついたが、クビ差及ばずの2着だった。 大味な競馬で、決してスムーズとは言えなかったが、ここでも能力の高さを見せている。先週のような超高速馬場で、3角の下り坂からペースアップして3~4角で外を回った場合はロスが大きくなるが、雨が降ってある程度時計が掛かる馬場になれば、外を回っても致命的にはならないはず。重い印を打ちたい。 【能力値3位タイ ブローザホーン】 タフな馬場で行われた昨夏の札幌日経OPの覇者。同レースでは6番枠から五分のスタートだったが、かなり押して先行。前3頭が飛ばして行った中、離れた単独4番手を追走した。 向正面に入るとややペースが落ち、前との差を詰める。3角手前で仕掛け、3~4角ではもう先頭。4角で再び仕掛けて3馬身差のリードで直線に入り、ラスト1Fで突き抜けて6馬身差で圧勝した。 実質差し競馬だったが、早めに仕掛けて後続を引き離したことから豊富なスタミナを示す内容だった。また、ここではGⅠでも通用する自己最高指数を記録。タフな馬場がベストということだろう。 また、前走の天皇賞(春)で2着の実績があるように長距離戦がベスト。今回は3200m戦で後方からレースをした後の一戦。テンで置かれてしまう可能性が高い。超高速馬場の芝2200m戦なら追走が忙しく、苦戦する可能性が高いと見ていたが、前々走・日経新春杯のような時計も上がりも掛かる展開になればチャンスはある。 【能力値5位 ベラジオオペラ】 昨春のクラシックでは脇役だったが、古馬になって大きく成長。前走の大阪杯でGⅠ初制覇を達成した。 前走は11番枠から五分のスタートだったが、促されるとすんなり先行し楽に2番手へ。向正面でペースが上がってもコントロールしながら2番手の外を追走していたが、3角手前でローシャムパークが捲ってくると抵抗して仕掛けた。直線序盤で先頭に立つと、ラスト1Fで食らいつくローシャムパークを振り切ってクビ差勝利。ただし、今年の大阪杯はクビ+ハナ差の3着馬がルージュエヴァイユだったようにGⅠとしてはレベルが低く、プラダリアが優勝した今年の京都記念と同等の決着。前後半5F60秒2-58秒0というスローペースで先行と、展開に恵まれた面もあった。 今回は前走からさらなる前進が必要。それでも、これまで8戦して大崩れしたのは昨年の皐月賞のみ。この時は重馬場のなか、かなりのハイペースで逃げたグラニットを追いかけてしまったのが敗因だった。底は見せておらず、キャリアの浅さからもまだ伸びしろも見込めるが、強調材料に乏しく強く推奨することはできない。