約500湯をまわって<温泉><グルメ>どちらも満足した旅館とは。好きなのは源泉温度が高い鉄輪・小浜などで食べられる料理で…
訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「『温泉とグルメ』どちらも100%満足させる」です。 【書影】永井さんおススメの温泉がこの一冊に!『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』 * * * * * * * ◆「温泉とグルメ」どちらも100%満足させる 2020年1月、とあるグルメ媒体のインタビューを受けました。 テーマは「温泉とグルメ」。温泉地ならではの食や、印象的だった旅館の食事について話しました。 ただ、最初にこのご依頼をいただいたときの感想は、「温泉とグルメ、どちらも満足した旅行ってほとんどないかも……」でした。 温泉雑誌でよく“名湯”といわれる温泉は、ざっくりだいたい、山奥や辺鄙な土地にあります。 「いい温泉というだけでお客さんがやってくる」からなのか、食事が抜群においしいところって、あまりなかったような。 そもそも人手不足だったり、場所柄、新鮮な食材やおいしい料理がつくれるシェフを雇用できなかったり、なんてこともあるでしょう。 私としては「こんな山奥でいい温泉を守ってくれているだけで大満足です」と目を瞑(つぶ)れるものの、食事はそんなに……な場合は、人にすすめにくくなるデメリットも。 温泉だけでは、コアなファン以外は行きにくいのが現状だと思います。
◆海辺の温泉地は夕食が華やか 大好きな温泉が湧く山奥の旅館で、冷めた煮物やべちゃべちゃな天ぷら、冷凍のまぐろの刺し身、ほんのわずか肉が入った鍋などを食べると、なんとも悲しい気持ちになります。 ウオーッ、温泉は最高なのにヨォ! って泣きたいです。でも、こんなところで湯守してくださっているのだから何も文句はいうまい、ってなっちゃう。 しかしこんな満足度じゃあ、ずっとは経営を続けられないのではないか、と心配になります。何かいい手立てはないものか(場所も辺鄙すぎて、周囲のレストランで食事を済ませられない)。 その点やっぱり、海辺の温泉地はとにかくおいしいです。 熱海をはじめとする伊豆は金目鯛が最高だし、城崎のカニ、別府の関あじ・関サバ、白浜のかつお・クエ……強い。圧倒的な強さ。 山菜・キノコもおいしいですが、やはり海が近いと夕食が華やかです。
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