富山の「ますのすし」の作り方とは!? 名門「ますのすし本舗 源」に教わってきた
■食べ終わった「わっぱ」はオリジナル押し寿司にも応用できる
実践終了後、宮口さんは「ますのすし」の秘密をこんなふうに教えてくれました。 「今回実践していただいた通り、『ますのすし』は一見シンプルですが、先人の知恵が詰まった製法で、これを地元の専門業者は今日まで守り抜いています。 『ますのすし』作りに欠かせないのは『鱒』『酢飯』だけでなく、やはり『笹』です。『笹』があることで殺菌作用があることに加え、『鱒』『酢飯』が乾燥しにくい利点もあります。この『笹』と『笹』の間に空気が入らないように押し寿司にする点もポイントで、これらの工程によって『ますのすし』の美味しさが確立されています」(宮口さん) そして、最後に「ますのすし」作りは意外な応用ができるとも教えてくれました。 「実は、『ますのすし』の『わっぱ』は、食べ終わった後、別の押し寿司を作ることもできます。ご自宅で『酢飯』を用意し、お好きな刺身類に少々塩を振り酢に漬けて、今回ご紹介した要領で詰めて密封すれば立派な押し寿司になります。本来は使い捨ての『わっぱ』ですので、耐久度は低いかもしれませんが、一度挑戦していただければ楽しいかもしれません」(宮口さん) 貴重な体験をさせてもらいました。一見シンプルに見えつつも、やはり奥が深かった「ますのすし」作り。この実践を経て自分で作った「ますのすし」はまた格別な味わいでした。 富山エリアに行かれる方はぜひ「ますのすしミュージアム」を訪れてみてはいかがでしょう。また、「ますのすし」を購入した際は、食べ終わった「わっぱ」を使って宮口さんオススメのオリジナル「押し寿司」を作ってみるのも楽しいと思いますよ。
<取材・文/松田義人(deco)>