富山の「ますのすし」の作り方とは!? 名門「ますのすし本舗 源」に教わってきた
■想像以上に難しい「笹」の配置と「酢飯」詰め
食べる人の気持ちを思い、愛情を忘れずに実践に入りました。まず、「わっぱ」の曲面に対し、右利きの場合は時計周りに順々に「笹」を並べていきます。 「わっぱ」の直径と、そこからはみ出る「笹」は半分・半分くらいになるバランスで並べていくわけですが、まだ押していない状態ですので、「笹」がフワフワして綺麗に並べるだけでも少々難航。しかし、そこは優しい宮口さん。慌てる筆者の前でも何度もやり直させてくれ、なんとか綺麗に並べることができました。 そして、その「笹」の上に「酢飯」を押すように入れていきます。今回教えてもらった「わっぱ」のサイズは「小丸」というサイズのもので、この場合は「酢飯」が約200g。「なるほど。これならできるだろう」と思いながら、酢飯を「わっぱ」に詰めていくと、これまた「笹」がズレていきます。 ここも難しいポイントらしく、「笹」がズレないように優しく「酢飯」を詰めていくのが良いとのことでした。
■「鱒」の並べ方にも繊細なコツが…
「酢飯」が綺麗に詰められたところで、肝心の「鱒」を乗せていきます。 「鱒」は新鮮なものに塩を振り酢漬けしておいた、良いあんばいのものを使いますが、ここでもコツがあります。 「鱒」の切り身と切り身の間に隙間ができないようにする一方、できるだけ切り身同士が重ならないことも重要。重ねったところは味ムラができるので、これもダメ。なんとか綺麗にムラなく乗せていきます。 どうしてもできてしまう隙間に対しては、「鱒」の身を千切るなどして埋め、「酢飯」が見えなくなったところで、盛り付けは完成です。
■「わっぱ」の上部・底部に「竹」をかけて完成!
盛り付けが終わったら、「わっぱ」に蓋をし、上部と底部に「竹」を挟み、専用の器具で押さえながら輪ゴムをし密封します。最後に「わっぱ」や「パッケージ」に自分の名前などを書いて完成です。 ここまでの通り、ごくごくシンプルでありながら「鱒」「酢飯」の味付け、そして細部の仕込みには相応のコツや技が必要なのが「ますのすし」。「ますのすし本舗 源」ではこれらの工程を全て手作業で行い、愛情を込めて出荷しているのだと言います。