韓国軍司令官ら5人逮捕、有事体制揺るがす事態 尹氏側「法廷で堂々と立場語る」
【ソウル=桜井紀雄】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に宣布し、国会などに兵力を投入した「非常戒厳」について捜査している検察は17日、戒厳司令部の司令官に任じられた朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長を内乱の重要任務従事などの疑いで逮捕した。検察が戒厳に絡み逮捕したのは金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相や司令官3人に続いて5人目。 朴氏は戒厳当夜、一切の政治活動を禁じるとした布告令を発表したが、軍部隊の投入についても「知らなかった」と主導的関与を否定している。 逮捕されたのは、陸軍特殊戦司令官や国軍防諜司令官、首都防衛司令官。いずれも対北朝鮮作戦や朝鮮半島有事で中心的な役割を担うポストで、安全保障体制への支障が懸念されている。 検察は、国会で14日に弾劾訴追案が可決され、職務停止中の尹氏を首謀者とみており、21日までに出頭し、取り調べに応じるよう求めている。 憲法裁判所の弾劾審判手続きが始まる中、尹氏側の弁護士は17日、憲法裁で公開弁論が開かれれば、尹氏は「法廷で堂々と所信に基づき立場を表明する」と記者団に明らかにした。政権を奪うために内乱を起こしたといえず、今回の戒厳に暴動の要素もなかったため、内乱罪は成立しないとも主張。検察や別の捜査機関が尹氏に出頭を求めていることを巡り、数日中に出頭の可否に関して立場を示すと説明した。