なぜトヨタ「86」後期に前期のエンジンを搭載?「日本最北の86乗り」が2度のエンジンブローを乗り越えて開眼した境地とは
真冬のホワイトアウトで最初の悲劇到来
笠原さんが86のメンテナンスやチューニングを依頼していたのは、86&BRZオーナー間では北海道のみならず全国的にも有名な、札幌市の隣町、石狩市にあるマルマンモーターズ。2018年の冬、同店からの帰路で不運に巻き込まれた。日本海沿岸を北上していたが、その日は天候が悪く、吹雪、さらには走ったクルマが巻き上げる雪煙で視界がほぼゼロになるホワイトアウトがところどころで発生していた。 日中ヘッドライトを点灯してもヘッドライトが照らすのは、雪による銀幕のみ。視界は2~3mあるかないか。当然、笠原さんも慎重に走ってはいたが、突然目の間に停車していた事故車両が現れ、なす術なく追突。ニュースになるほどの多重玉突き事故の餌食となってしまい、トヨタ 86前期は廃車となってしまった。
人生初の新車! 86後期GRスポーツを購入
2019年、2台目のトヨタ 86として後期型GRスポーツのオーナーとなり、早速マルマンモーターズに持ち込み、エキマニからマフラーまで排気系をフルにパワークラフト製に変更するなどのチューニングを施した。同時にサーキット走行も楽しみ、タイムも徐々にあがってきて走り仲間&ライバルも増えてきたことで、よりタイムアップを目指し、走り方にも変化が表れてきた。その効果もあり2020年もタイムアップに成功し、2度目の86ライフは順調かと思われた。
十勝スピードウェイで2回のエンジンブロー……
2021年の秋、十勝スピードウェイの長いストレートで突然悲劇は訪れた。5速ギアに入れた瞬間、エンジンがブローしたのだ。はっきりとした要因はわからなかったが、エンジンを開けてみるとバルブサージングが起きたのかインテークバルブが折れ、ピストンと当たった形跡があったとのこと。修理はディーラーにて行い、ほぼ新品エンジンといえる内容で修理し無事、復活をとげた エンジン修理から1万kmちょっと走行した2022年秋、またもや十勝スピードウェイで悲劇は起きた。今回は笠原さん自身が起こしたことを自覚していた。ストレートエンド、0.1秒を削るためにブレーキングしながらのシフトダウンの際に、5速から一気に3速にブチ込みオーバーレブ。9000回転オーバーまで回ったそうだ。その結果、ロッカーアームのピンが抜け、ヘッドカバーをブチ抜いてしまった。この時のエンジン修理はさすがにディーラーには依頼できなかったので、マルマンモーターズに相談することになった。
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