【武蔵野S展望】エンペラーワケアが主役 東京巧者のコスタノヴァ、エルムS覇者ペイシャエスがライバルに
[GⅢ武蔵野ステークス=2024年11月9日(土曜)3歳上、東京競馬場・ダート1600メートル] 今週の東京競馬場は、土曜のみ重賞が組まれている。GⅠチャンピオンズカップ(12月1日=中京ダート1800メートル)の前哨戦で、勝ち馬に同レースへの優先出走権が与えられる武蔵野Sだ。ただ、近10年の勝ち馬を見ると、本番につながるレースというよりもワンターンのマイル戦に適性の高い馬が目立つ。1番人気は近10年で3回しか連対しておらず、勝ったのは1頭だけ。一昨年のレモンポップや2016年のゴールドドリーム(2番人気)が2着に敗れるなど一筋縄ではいかないレースだ。 前走のエニフSで59キロを背負いながら快勝したエンペラーワケア(牡4・杉山晴)が主役を担う。2月の根岸Sを完勝しているように、GⅢレベルなら力は上位。ここまでダートでは一貫して7ハロン戦のみを使われてきたが、ここでマイルにチャレンジする。安定した取り口を思えば1ハロンの延長は許容範囲のはず。来春のGⅠフェブラリーSを占う意味でも賞金の上積みが至上命題だ。 コスタノヴァ(牡4・木村)は2走前の欅Sでエンペラーワケアを撃破。前走のJpnⅢクラスターCは明らかに距離が短すぎた印象だけに、巻き返しがあっていい。東京ダートは4戦全勝の得意舞台だ。 前走のエルムSで重賞3勝目を飾ったペイシャエス(牡5・小西)は大事に使われてきたことが奏功して本格化ムード。横山和も3戦連続の騎乗で手の内に入れている。3歳時にGⅢユニコーンSを勝っているように舞台適性に不足はないが、前出の2頭と違ってこちらはチャンピオンズCを狙える下地の持ち主だ。 ショウナンライシン(牡4・大竹)は前走が鮮やかな差し切り。今夏の福島戦以降、柴田善とのコンビで1、2、1着と完全に波に乗った。重賞で相手関係は一気に強化されるが、今の充実ぶりなら期待が持てる。 オープン入り後、連続2着のタマモロック(牡4・伊藤圭)は、新たにムーアとのコンビを予定。昨秋以降、東京では崩れていないだけに、強力な鞍上とのコンビでもうひと押しがあれば面白い。 コース巧者のペリエール(牡4・黒岩)、スムーズなら強いサンライズホーク(セン5・牧浦)、JpnⅠ南部杯で3着と健闘したキタノヴィジョン(牡7・萱野)なども持ち味を生かして上位進出をうかがう。
東スポ競馬編集部