避けられがちの事故物件…「オバケなんてないさ」どう証明?調査ビジネスで入居者は増えるのか
■事故物件にカズレーザーと住んでいたお笑い芸人
2015年から1年間、お笑いタレントのカズレーザーと事故物件に住んでいた、お笑い芸人の矢巻駿氏。渋谷区で1DKで、3万8千円(相場は7~8万円)、6畳の和室で高齢者が孤独死した部屋があり、人型のシミがあったが、畳をシャッフルして暮らしていた。霊感はなく 快適に生活できたが、現在の入居者は金縛りにあっているそうだ。 矢巻氏は「まだメイプル超合金(安藤なつとカズレーザーからなるお笑いコンビ)も売れる前で、二人ともお金がなかった。とにかく家賃が安かったから住んだ」。シミについては、「畳を変えるのに5000円かかると言われ、当時お金を持っていなかったので、そのままにした。ソファの下、テレビ台の下など目が入らない位置にシミを移動させて普通に生活していた」と振り返る。 現在の入居者は金縛りにあうとのことだが、指標として、金縛りは霊がいると判断するのか。児玉氏は「体調管理から調べないといけない。例えば睡眠時間、生活がどうだったか。その意味では、協力者の中に精神科医の先生もいる。(株式会社カチモードでは)そういう方に関して、先生も同行していただき、ご意見を伺う」と答えた。
■事故物件に住むのはアリ?ナシ?
事故物件の売買は宅建業法により告知義務がある。知っていながら告知を怠ると契約不適合責任を問われる可能性も。告知義務の時効は発生から3年程度(厳密な決まりなし)。 告知義務について、児玉氏は「2021年に国土交通省が出した『宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン』だ。それによると、告知が必ず必要なのは、自殺、殺人、焼死、原因不明の状態だ。老衰などの自然死、入浴中や階段での転倒や食事中の窒息は普通にあり得ることで告知にはならない。ただ、孤独な生活をして『亡くなったことが見つからなかった』それで身体が腐敗し、特殊清掃という消毒を含んだリフォームをした場合は告知になる」と補足した。 株式会社AlbaLinkの調査によると、約3割の人が事故物件でも住むのは「アリ」と答えている。事故物件にアリナシのボーダーラインは何が決め手になるのか。児玉氏は「現状は、価格で跳ね返すことが一番効果的。家を貸す方、賃貸経営されている方の最後の手段は、家賃を減らすことだ」と答えた。 さらに、「事故物件の調査で分かったのが、亡くなった方との距離感が近いと、嫌悪感や気持ち悪さはなくなってくる。なので、個人情報は防ぐが、『こういう方がこういう背景でここで過ごし、こういうことがあって亡くなってしまったが、遺族の方とお話をしたら、こういう状況ですごく前向きだ』と説明したら、気持ち悪さはとれないかもしれないが、(事故物件に)嫌悪感はなくなるのではないか」との見方を示した。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部