避けられがちの事故物件…「オバケなんてないさ」どう証明?調査ビジネスで入居者は増えるのか
事件や事故などが原因で人が亡くなり、誰も住みたがらなくなった部屋「事故物件」。できるだけ住むのを避けようと、引っ越しの際サイトをチェックする人も多い。実は今、いわく付き物件を対象にした新たなビジネスが注目を集めている。どんなビジネスなのか。株式会社カチモード代表取締役の児玉和俊氏は「オバケ調査する会社だ」と述べた。 【映像】事故物件でのオバケ調査方法 児玉氏は「(事故物件を)再運用するときに家賃を下げなければいけない状況が出てきてしまう。そこをなんとかしたいので、部屋に何も出ないと証明し、事故物件の家賃減少の食い止めに協力している」と説明。 数年前まで不動産業界で働いていたが、当時から事故物件の扱いに頭を悩まされていた。「(事故物件の)オーナーさんも、貸した人がたまたまそうなってしまった状況で、被害者の一人。1回貼られてしまったレッテルを剥がす効果的な方法がない」と述べた。こうした状況をなんとかしようと、2年前に事故物件のオバケ調査会社を起業した。これまで約150軒を調査。現在も依頼が急増中だという。 こうした取り組みは事故物件の救世主と期待される一方、実際の存在証明は難しく理解してもらえないことも。孤独死の増加でますます増えると言われる事故物件。今回、オバケ調査に同行し、その結果報告と共に、どうすれば人に住んでもらえるのか。『ABEMA Prime』で当事者と考えた。
■株式会社カチモードとは?調査結果は
今回、調査に同行したのは築12年、1Kの物件。2年半前に20代女性が部屋で亡くなったという。事故物件の調査結果は、カメラに謎のノイズが入り、写真をXにポストすると「女性が写っている」と連絡が来た。 児玉氏は「実はクローゼットで事が起こってしまっている。Xにポストした時、数人だが『女性の方がぶら下がっているが大丈夫か』という連絡が来た。この部屋はお借りさせていただき、見える人が本当にいるのか、雑音も部屋の中は何もなく、風もない状態の部屋なので、再現性があるのか、年末までの時間をいただき再調査をしている」と話す。 株式会社カチモードでは、オバケを発見したら、部屋の借り上げ、依頼者へ懸賞金進呈し、調査継続し転貸借運用をする。また、発見できなかった場合は、証明書発行、相場の賃料に戻し再運用、所有者と居住者の間に入り、コンサル業務を行なう。ただし、後日オバケが出たら懸賞金を贈呈する。 児玉氏は「基本的には『オバケなんていない』という調査だ。耳には聞こえない、そういった周波数帯の音をカメラが拾ったり、もしくは霊がいたことが考えられる。私は15年間、管理会社の勤務しかしていないので、大学の物理を専攻している先生にご協力をいただいて、一緒に検証して調べている」と補足した。 調査方法は、夜から朝まで泊まり込みして、映像録画、音声録音、電磁波調査、サーモグラフィー、風力調查、室温湿度調査、大気圧調査、騒音調査を行なうという。「ずっと起きていながら、8項目の調査内容を実施して、報告書と証明書を使って異常なしということで、やっている」。 オバケがいるかどうかの指標は自身で決めたのか。児玉氏は「基本的にはイギリスだが、オバケが出るお城を調査する会社がある。そこの会社を見習い、大学で研究をされている先生たちと相談し、今の状況になっている」と答えた。 ビジネスモデルの収益については「単発の調査費用を1件に8万円(税別)頂いている。調査の上で、運用させていただく場合は、コンサル費用をいただく。この部屋に合った運用の仕方をオーナーさんと一緒に考えて、条件、状態、間取り、建物に見合ったサービスを一緒に考えて提案していく」と述べた。