特定秘密の不適切運用新たに100件、潜水手当不正受給も 防衛省・自衛隊90人超処分
防衛省は27日、自衛隊で特定秘密のずさんな取り扱いが相次いでいた問題で、出向先の防衛装備庁などから転入した隊員が必要な手続きを取っていない事案など新たに100件以上の不適切な運用が発覚したと公表した。海上自衛隊のダイバーによる潜水手当の不正受給も過去に公表したケース以外に判明した。同省、海自は同日までに計93人を懲戒免職などで処分した。 同省によると、防衛装備庁や警察庁などに出向していた自衛隊員が転入した際、許可権者が変わるため、本来は特定秘密を扱うために必要な適性評価を受け直す必要があるのに、怠っていた事案が100件あった。 特定秘密が保存されているデータを省内のネットワーク上にある共有フォルダーに複製し漏洩と評価されたほか、特定秘密文書を誤廃棄したり特定秘密を含む音声を許可なく録音したりするケースもあった。 いずれも外部への流出は確認されていない。同省は部隊運用の実情に即した情報保全のあり方を検討するなど実効的な再発防止策を検討する。 海自は、潜水訓練の実績を偽り潜水手当を不正受給したなどとして新たに86人の処分を公表。今回公表した不正受給額は計約1500万円で、過去の公表分も含めると計約6300万円に上る。 同省・自衛隊では、特定秘密の不適切運用や潜水手当の不正受給など不祥事が相次ぎ、7月に海自トップの海上幕僚長を含む218人が処分されている。