持病があることを伝えていても、それを理由に試用期間で「契約終了」にされることもある?どう対処したらいい?
長い時間をかけてようやく正社員の採用先を見つけても、試用期間で契約終了と告げられるケースもあるでしょう。内容が納得できるものであればまだしも、どうしても納得できないこともあるはずです。 本記事では、持病があることを面接時に伝えていたにもかかわらず、それを理由に試用期間で契約終了と言われた場合、正当なのかどうかを解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
持病を理由に試用期間を終了させられるのか?
持病を理由に試用期間を終了させられるかは、その理由が客観的に合理的であり、社会通念上相当であるかどうかが判断基準になると考えられます。 そもそも試用期間とは、労働者を正社員として採用するか否かを判断するため、能力や適性を確認するために設けられた制度で、期間終了後に契約を継続するかどうかは使用者に委ねられる部分が大きいものです。 ただしこのような場合でも、試用期間で契約を終了することが許されるのは、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められる場合のみと考えられています。 ここからは、試用期間で契約終了できると考えられるケース、できないと考えられるケースをご紹介します。 ■試用期間で契約終了できる可能性があると考えられるケース 試用期間で契約終了できる可能性があると考えられるのは、以下のようなケースです。 ・持病による欠勤があまりにも多かった ・仕事に行ってもほとんど働けなかった ・持病の内容に虚偽の情報が含まれていた 上記のような場合であれば、合理的な理由として試用期間での契約終了が認められる可能性があるでしょう。 ■試用期間で契約終了できない可能性があるケース 反対に、試用期間で契約終了できない可能性があると考えられるケースは以下の通りです。 ・仕事が遅い ・ミスが多い このような場合は「事業主による適切な指導があったのか」なども判断基準に含まれるため、一概に合理的な理由として判断されないケースもあります。 もし合理的な理由ではないにもかかわらず契約終了させられた場合、損害賠償請求が認められる可能性もあるようです。 このように、持病を原因として契約終了させられるかどうかは、それを原因としてどのような状況になったのかが焦点となるため、「持病があることを面接時に伝えていたのに契約終了と言われた」という情報だけでは判断できないという回答になるでしょう。