「私の常識」を無意識に押しつける人が言いがちなNGワードとは?
勝手な期待を押しつけたり、不機嫌な態度を露骨に出したりといった言動は仕事でもプライベートでも相手に不快感を与え、人間関係を悪化させる。特に自分では当たり前と思っていたことが実は相手を不快にさせていた、という経験は誰しも心当たりがあるだろう。相手の気持ちや背景を尊重して、上手に人付き合いをしていく方法を週刊誌記者が解説する。※本稿は、山田千穂『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● もう話したくないと思われる態度 期待しすぎて不満を募らせる ある経営者の方からこんな話を聞いたことがあります。 「相手に期待しすぎたり、願望を持ちすぎたりすると、自分の中に不満がどんどん溜まっていく。だから、何も望んじゃいけないとまでは言わないけれど、他人への期待や願望を高くしちゃいけない」 なるほど!と思いませんか? 109の頃、後輩のスタッフが入社すると、「このくらいは売ってくれるかな」なんて期待値を高く持っていました。そのため、洋服のお畳みばかりをして積極的に接客をしない姿を見ると、「やる気ないのかな?」と不満を抱いてしまう。 家庭内でも同様に「これやっておいてほしかったのに」「なんで洗い物してくれないの?」といった夫への不満がケンカの発端になっていたので、考え方を変えました。「やってくれたらラッキー!」くらいのつもりでいるようにしたのです。 期待は裏切りと表裏一体です。期待すればするほど、それがかなわなければ裏切られた気分になってショックが大きくなります。ということは、期待値を下げれば下げるほど、不満も減っていくわけですよね。
そのようにして心に余白ができると、人の話を聞く余裕も生まれます。勝手に相手に期待してイライラを募らせるより、何かやってくれたら「嬉しい!」と思えるほうが、人間関係もコミュニケーションも円滑になります。 ● 相手には無関係の自己都合 「私の常識」を押し付けない 記者業で3000人、接客業と合わせると1万人以上の人と接してきて、悪気なくやってしまいがちだけど絶対にやってはいけないとわかったことがいくつかあります。 その最たるは、常識の押しつけです。「普通は~」「みんなは~」「世の中は~」「うちの会社は~」「そんなの当たり前」「そんなことも知らないの?」と言ってしまう人は要注意。無意識のうちに相手に「私の常識」を押しつけている可能性が高いです。 私も、記者になって数カ月の頃、こんな押しつけをしてしまったことがあります。 売れ筋の最新家電を紹介する記事を担当し、各商品の写真掲載のために都内の大型家電量販店で写真を撮らせてもらう必要がありました。しかも「今日中に全ての写真をそろえるように」という上司からの依頼……もう時間がありません。 「売れ筋の最新家電をご紹介する企画で、本日、今からお店の一角をお借りしてお写真を撮らせていただきたいのです。来週発売号でして……」