メイシーズ は ブルーミーズ 4号店を今秋オープン。 小型店舗の拡大は百貨店の「切り札」となるか?
小型店舗の拡大による「密集化」戦略
ブルーミーズが店舗を拡大するというニュースは、親会社メイシーズ・インクの再建計画が動き出すなかで発表された。最新の収益報告によると、2023年の時点でブルーミングデールズは約400万人のアクティブ顧客を抱えていたが、その既存店舗売上高は前年比1.5%減だった。CEOのトニー・スプリング氏は直近の決算説明会で、メイシーズの3大優先事項のひとつがラグジュアリーアイテムの成長を加速させることだとして、そこにはブルーミングデールズと、同社傘下の高級化粧品専門店であるブルーマーキュリー(Bluemercury)を20%成長させることも含まれると述べた。同氏によると、同社は今後3年間で新規および既存市場において、15店舗のブルーミーズとアウトレット店をオープンさせることをめざしているという。 ニュージャージー店はブルーミングデールズが小型店舗を増やしていく上で、同社がいわゆる「密集化」と呼ぶ戦略にどのように注力しているかを示す一例となっている。つまり対面またはデジタルで買い物をする忠実な既存顧客がいることはわかっているが、より便利で近い場所に出店することでさらに多くの地域を開拓し、より多くの顧客を獲得できる可能性があることを意味している。 「シュルーズベリー店では、顧客に近づくことができるまたとない機会を得られた」とアベレス氏は語った。「最寄りのブルーミングデールズの実店舗に行くためにかなりの距離を移動しなければならない多くの既存顧客がいる。だからこそ、当社が抱えている何千人もの既存顧客との距離を縮めることを目標としている。全体的な体験は、我々がこれらの顧客について知っていることをもとにして厳選されている」。
オフプライス小売店の台頭による百貨店の課題
コンサルティング会社のジェーン・ハリ&アソシエイツ(Jane Hali & Associates)でシニアリサーチアナリストを務めるジェシカ・ラミレズ氏によると、百貨店は近年買い物客と彼らが何を望んでいるかを理解するのに苦労しているという。同時に、オフプライス小売店が多くの百貨店の市場シェアを侵食しつつあるという。 小型店舗戦略はますます人気の戦略になってきているが、成功するかどうかは、最終的にはマーチャンダイジングと販売の実践方法にかかっている。 「ブランドや小売業者が店舗を閉鎖したあとも、小型店舗をオープンするという傾向が見られる」とラミレズ氏は話す。「そして、その方がより利益率の高い厳選された商品を並べることができるので、業績が向上する傾向もある」。