「いまだ第2波ピーク時と同水準」 小池都知事、感染防止策「とことん徹底を」
東京都は26日、新型コロナウイルスの都内での感染状況と医療提供体制について医療の専門家らが分析・報告する「モニタリング会議」を開いた。会議で小池百合子知事は「新規陽性者数の減少傾向が鈍化している(こと)。いまだ第2波のピーク時と同程度の水準にあること。今後、感染力が強い変異株による感染が急速に拡大するリスクを抱えていること。保健所、医療機関の負荷を早期に解消するためにも感染防止対策を徹底すること、(専門家から)この必要性を伝えていただいた」とまとめたうえで、都民に対して外出自粛や3密回避などの感染防止策を「とことん徹底する」ことを改めて求めた。 【動画】コロナ新規感染の減少傾向が鈍化 都がモニタリング会議
また、緊急事態宣言が解除される府県に関する報道にも触れ「きょうも『解除』の話でこの2文字が随分メディアでも飛び交っている。それが都民や事業者、1都3県に与える心理的な影響等も考えなければならない。さまざまな分野での協力をお願いしたい。改めて強調したい」と、宣言解除報道を受けた気の緩みを警戒する場面もあった。 緊急事態宣言の期限が3月7日であることについては「この期間において、確実に終わらせる。そしてその先にまたリバウンドしてしまっては“第4波”になってしまう。特に変異株の話もある。ワクチンの接種がいつになるのかという問題もある」と語り、感染防止に努めるよう都民に呼び掛けた。
専門家「鈍化」「変異ウイルス」を警戒
会議では、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長が感染状況について報告。24日時点での7日間平均が約288人と、前週の約347人から減少したものの、「依然として高い値だ」と指摘した。また、前の週との増加比も前回は約70%だったが、今回は約83%で、減少傾向が鈍化していると説明した。昨年夏の“第2波”のピーク時が約346人だったと言い、「このときとほぼ同数」とまだ警戒が必要だとした。 大曲氏は新規陽性者数の増加を把握するためには積極的疫学調査の体制を強化する必要性があるとも言及。さらに「今後、感染力が強い変異株が急速に拡大するリスクがある。従来型から変異株に流行の主体が移る可能性もある。変異株により、新規陽性者数が再度増加する局面を確実に捉えて、変異株の流行伝播を徹底的に封じ込めることが重要と考えている」と述べた。ワクチンについては「重症化しにくい効果は期待できるが、現時点では感染そのものを防ぐ効果は明らかではない。ワクチン以外の感染防止対策は引き続き重要だ」と訴えた。