大佛次郎、最古の書き損じ原稿 「鞍馬天狗」誕生100年の企画展
作家大佛(おさらぎ)次郎(1897~1973)の代表作の一つ、時代小説「鞍馬天狗(てんぐ)」の誕生から100年を迎えたのに合わせた企画展が、横浜市中区の大佛次郎記念館で開かれている。 【写真】「鞍馬天狗」シリーズ第2話「銀煙管(きせる)」の書き損じ原稿=横浜市中区の大佛次郎記念館、伊藤宏樹撮影 「鞍馬天狗」は1924(大正13)年、博文館の大衆文芸雑誌「ポケット」の連載として始まった。戦中、戦後も連載の場所や形を変えながら続き、65(昭和40)年の「地獄太平記」まで47作が発表された。 今回は、24年のシリーズ2作目「銀煙管(きせる)」の書き損じ原稿が初めて展示された。同館が大佛の遺族から寄贈を受けた直筆原稿の解読を進めるなかで、その一部が「銀煙管」の構想段階のものと昨秋に判明した。現存する大佛の最古の直筆原稿という。
朝日新聞社