中国企業の配当支払い、人民元の下押し圧力に-市場活性化策が影響
(ブルームバーグ): 低調な中国株式市場の活性化に向けた野心的な取り組みが人民元に思わぬ影響を及ぼしている。過去最大規模の配当金支払いが資金流出につながっている。
ブルームバーグ集計データによると、香港上場の中国企業が支払う中間配当は来年1-3月に129億ドル(約2兆400億円)と、第1四半期として過去最高を記録する方向だ。今年10-12月(第4四半期)は既に前年同期比47%増の162億ドル超と、この期間としては過去最高に達した。
米中間の緊張が高まる見通しとドル高で既に逆風が吹いている人民元に、配当急増でさらに下押し圧力がかかることになる。 これら企業は主に香港ドルで配当金を支払うが、売上高の大半を人民元で得ているため、香港ドルに換える必要がある。
中国が長期的な目標を犠牲にせずに短期的な市場安定を実現できるかが試されることになる。当局が1年ぶりの低水準付近にある元の防衛に向け取り組みを強化している状況下では特に重要だ。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の邢兆鵬シニアストラテジストは、香港上場企業の多くが中間配当を導入しており、顧客の外貨需要拡大は主に配当金のフロー次第になり得ると指摘。「企業は配当支払いで他通貨に換えるが、配当の頻度と正味の金額がともに増えることで(人民元相場に)今後も重荷になるだろう」と指摘する。
中国が4月、配当の奨励などを盛り込んだ資本市場改革計画を発表してから、国内企業は投資家への現金配当を増やしている。
原題:China’s Record Dividend Payout Intensifies Pressure on the Yuan(抜粋)
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