サインツに続きローブも横転。トヨタ/GRがミニ勢を破るステージ勝利【ダカールラリー2025】
1月7日、サウジアラビアを舞台に開催されているダカールラリー2025のステージ3が行われ、トヨタ・ガズー・レーシングのサオード・ヴァリアワ(GRダカール・ハイラックスEVO)がステージウインを飾った。そして総合順位では、同じくトヨタGRのヘンク・ラテガンがトップをキープしている。 【写真】自身初のダカールラリーでのステージウインを飾ったサオード・ヴァリアワ(トヨタ・ガズー・レーシング) 1月3日にプロローグを終えて開幕したダカールラリー2025。5~6日には丸2日間を使って実施される1000km弱のステージ2『48時間クロノ』が終了し、ここからラリーはスタート地点のビシャ周辺を離れて展開していく。 まずは7日、国土の各地域を周る行程のはじめとなるステージ3『ビシャ~アル・ヘナキヤ』全847km(ステージ495km/リエゾン352km)が行われた。 ステージ3ではサウジアラビア南部のビシャから、紅海に面する西部の街アル・ヘナキヤへと移動する。路面としては、これまでメインとなっていた砂丘に代わってグラベルやダートが多く広がる。さらに、アル・ヘナキヤが激しい降雨に見舞われた影響もあってステージ3のルートは調整されており、当初の全496kmのうち計169kmが削除され、フィニッシュ地点は327km地点に再設定された。 この日は、グラベルの広がる序盤にトヨタ・ガズー・レーシング勢がハイペースを発揮し、118km地点を通過したころにはルーカス・モラエス、セス・キンテロ、ヴァリアワらがトップ3を構築。GRダカール・ハイラックスEVOが最初に速さを見せた。 一方、この区間で挽回を狙っていたザ・ダチア・サンドライダーズに所属するWRC世界ラリー選手権9回王者のセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)は、12km地点で横転クラッシュを喫した。その後はなんとかコース復帰を果たしたもののクルマへのダメージは厳しいようで、鈍いペースで走行を続けて1時間以上のロスを背負ってしまった。 そしてダート路面の増えるステージ中盤からは、X-RAIDミニJCWチームのギヨーム・ド・メビウス(ミニJCWラリー3.0I)やジョアオ・フェレイラ(ミニJCWラリー3.0D)もペースアップ。トヨタ勢とのタイム差を一気に縮めていく。 終盤にかけては、ステージをリードしていたモラエス(トヨタGR)がペースダウンしていった一方、X-RAIDミニからゲラン・シシェリ(ミニJCWラリー3.0I)もぐんぐん順位を上げたが、ここではトップに一歩届かず。3台のミニ軍団の猛攻から逃げたヴァリアワ(トヨタGR)が33秒差でステージ首位を堅守し、自身初のステージウインを飾った。また今大会のステージ1では、22歳のキンテロがステージウインをあげたことで最年少記録を刻んでいたが、今回19歳のヴァリアワが大幅に記録を更新した。 そして総合順位では、トヨタ・ガズー・レーシングのヘンク・ラテガンがステージ12番手ながらトップを死守。さらに総合2番手につけていたオーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がトップから14分遅れのステージ17番手となり、総合4番手にダウンした。 代わって総合2番手となったのはザ・ダチア・サンドライダーズのナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)で、首位ラテガンとは7分17秒差だ。また、ステージ3でハイペースを見せたフォードMスポーツのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)が総合3番手に入り、3メーカーが表彰台圏内に並ぶ展開となった。 そして二輪部門は、シェルコ・ラリーファクトリーのワークスライダーであるロレンツォ・サントリノ(シェルコ450SEFラリー)が自身初のステージウインを飾った。ステージ2番手にはBASワールドKTMレーシングチームのブラッドリー・コックス(KTM450ラリー・レプリカ)が入り、ホンダからはモンスターエナジー・ホンダHRCのリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)がステージ3番手タイムを刻む結果となった。 総合順位では、首位に立つレッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)は岩の多い区間でペースを抑えたことでステージ23番手タイムに沈んだものの、ルートを切り開いた先頭ライダーたちへ与えられる最大4分20秒のボーナスタイムも助けとなり、1分57秒差で総合首位をキープした。 また総合2および3番手は、モンスターエナジー・ホンダHRCのスカイラー・ハウズ(ホンダCRF450ラリー)とヒーロー・モータースポーツ・チームラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)がともにキープし、トップとの差は約10分ほど縮んだ。 明日はステージ4『アル・ヘナキヤ~アルウラ』全588km(ステージ415km/リエゾン173km)が行われる予定だ。 [オートスポーツweb 2025年01月07日]