ドジャースで来季開幕に先発を想定できるのは山本だけ 先発投手の補強が今オフ最大の焦点
ロッテの佐々木朗希投手(23)がポスティングシステムで米大リーグに挑戦することを受け、米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は「ドジャースのFAのトップターゲットになる」との見出しをつけて掲載した。大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)の所属するド軍は今季、2020年以来4年ぶり8度目のワールドシリーズ(WS)制覇を成し遂げた一方で、先発陣は手薄な状況だ。サンケイスポーツの大リーグ担当・横山尚杜記者がド軍の投手事情を解説する。 【写真】小さなファンの視線を浴びながら…しゃがんで子供にサインするロッテ・佐々木朗希 ワールドシリーズ(WS)を制覇したドジャースだが、故障禍で投手事情は苦しかった。それが際立ったのがポストシーズン(PS)の先発3人制だ。4人でローテーションを回すのが基本線だが、9勝のグラスノー、11勝のストーンが離脱。ロバーツ監督は山本、フラーティ、ビューラーに続く〝4人目の枠〟に、救援投手でつなぐブルペンデーを採用した。 だが、これは苦肉の策とも言える。現状で来季開幕に先発を想定できるのは山本だけ。今オフはグラスノーが右肘、カーショーが左膝と左足親指の手術を受けた。フラーティとビューラーはFAで、ストーンは右肩手術を受け、既に来季の全休が決定済み。大谷も左肩の手術を受け、投手復帰時期は不透明だ。野手陣は来季も盤石な布陣だけに先発投手の補強が今オフ最大の焦点となる。 佐々木は加入した球団にFAとなる2030年まで所属することになる。各球団は佐々木の中長期的な将来設計を提示し、勧誘するだろう。ド軍が米メディアの中で移籍先の最有力候補に挙げられるのは❶中5日以上を間隔を空けて移籍1年目の山本を起用❷WSを制する戦力を保有❸日本選手が所属するなど優位点が多数あることが背景にある。 それでも争奪戦になることは必至。NPBで規定投球回未達の佐々木だが、23年全米ドラフト1位指名の22歳、スキーンズ(パイレーツ)も今季は投球回を制限しながら133イニングで11勝3敗、防御率1・96。耐久力を懸念し、獲得を渋る球団は少ないとみられる。(大リーグ担当・横山尚杜)