森林環境税の導入はいつ誰が決めたの? 具体的にどんなことに使われる?
森林環境税の具体的な使用実績
森林環境税の具体的な使用実績を3つご紹介します。 ■鹿児島県姶良市 姶良市では、所有者不在や高齢化などにより手入れが行き届かない人工林が増えており、森林環境譲与税を利用して経済的には維持が困難な森林の管理を進めています。令和3年度には、前年度までに経営管理権集積計画を策定した森林3.59haで間伐や巡視を実施し、県産材を使用した看板を設置して管理箇所であることを示しました。 ■愛媛県内子町 内子町では、所有者不在や高齢化により管理が不十分な人工林や路網に対して、森林環境譲与税を用いて森林組合に対する間伐や豪雨で損傷した林道の補修の補助を行いました。令和3年度には、条件不利森林の除間伐支援として64.7haの間伐を支援し、10路線の路面整備を行っています。 ■秋田県大館市 大館市では、森林経営管理制度の創設を受けて市の体制を強化し、森林整備や促進に向けた多様な取り組みを進めています。令和3年度には、78.6haの森林で新たに経営管理権集積計画を策定し、1.2haを林業経営者に再委託しました。また、ドローンを活用して現況調査も行っています。
活用されていないケースも
私有林人工林が存在しない都市部の自治体では、交付された森林環境譲与税をさまざまな用途に活用しています。具体的な活用例として林野庁が示しているのは、公共施設での木製備品の購入や建て替え時に国産木材を使用すること、または都市部の子どもたちが植林体験を行う活動などです。 一方で、譲与税を基金に積み立てるケースもあります。例えば、東京・大田区では、全額を「公共施設整備資金積立基金」に積み立て、教育施設や福祉施設などの建て替えや増改築時に国産木材を活用するための資金として使用しています。
森林環境税は日本の緑を守るために生まれた制度/2019年に日本政府が導入を決定
森林環境税は、2019年3月に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立し、2024年度から導入されることが決定されました。森林環境税は、私たち一人ひとりが日本の森林を守るためにできる具体的な行動の一つです。1人当たり年額1000円と決して高額ではない負担ですが、その役割は非常に重要です。 出典 林野庁 森林環境税及び森林環境譲与税 林野庁 兵庫県神戸市 林野庁 東京都江戸川区 林野庁 長野県伊那市 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部