ペプシコ 傘下のプロペル、パーパスマーケティングとコミュニティ支援でスポーツイベントを活性化
各社が主要スポーツイベントにおけるアクティベーションやアンブッシュといった戦略に力を注ぐなか、ペプシコ(PepsiCo)傘下のフレーバーウォーターブランド、プロペル(Propel)はそれとは別のルートをたどっている。 ペプシコのフィットネス部門でシニアディレクターを務めるエミリー・ボイド氏によれば、主要なオーディエンスに至る同ブランドのルートは、都市部のランニングクラブだという。広範なランニングコミュニティとの協調を図るべく、プロペルは全米各地の16のスポーツクラブへ資金とフレーバーウォーターを注ぎ込んでいる。 プロペルが現在サポートしているのは、ブリック・シティ・ラン・クラブ(ニュージャージー州ニューアーク)やアトランタ・ラン・クラブ、BLKビートルズ(テキサス州ヒューストン)といったコミュニティグループで、そのスタート地点はマイケル・B・ジョーダン氏をブランドアンバサダーに迎えて2023年にロサンゼルスではじまったプロジェクトにある。
健康志向消費者にリーチ
同ブランドはことし、ポップアップジムを開設して、クラスやプロペルの製品を無料で提供することを予定している。さらには、米国内の消費者に10万ドル(約1590万円)相当のフィットネスメンバーシップも提供する。 Cookieの非推奨化により、マーケターがオーディエンスをターゲティングする手段も(ついに)選りすぐられることになる。そんななか、プロペルなどのブランドが熱望するのは、エクササイズグループとつながり、健康志向の消費者という自社のターゲット層にリーチすることだ。 全米各地のランニングクラブやボートクラブに大いに貢献することで、プロペルは慈善的な輝きを放ち、それによりスポーツが持つ親しみやすい民主的な特質との調和が生まれる。 ブランディングエージェンシーのハンソン・ドッジ(Hanson Dodge)で最高戦略責任者を務めるマイク・ステフェニアック氏は、DIGIDAYに対して次のように述べている。「その人がどんな人なのか、走るのが速いのか遅いのかに関係なく。そこにはその人のための場所がある。私自身、地元のランニングクラブに長く所属しているからわかるが、その理念を全力で支持してくれるブランドにメンバーは感謝し、それを愛用するものだ」。 もちろん、こうしたコミュニティベースのプロジェクトのそれぞれが、大量のソーシャルコンテンツでプロペルの好感度を高めることになるだろう。ボイド氏によれば、プロペルが優先させているのは、インスタグラム(Instagram)やスナップチャット(Snapchat)、TikTok(ティックトック)でインフルエンサーと関わることではなく、こうしたプラットフォームのコミュニティグループとコンテンツを制作することだという。 「どこかの時点で、自社のソーシャルチャネルでフィットネス系インフルエンサーと関わって、コンテンツを公開することもあるかもしれない。このミッション全体が注力しているのは、マイケル・B・ジョーダン氏とのパートナーシップであり、これら16のローカル団体とのパートナーシップだ」と、同氏は語る。