芝公園→羽田空港は料金3倍、アクアラインは4倍…ETC使わない人の「損失」計算してみた
高速道路を走る車のうち、5.2%はETC(自動料金収受システム)を使わず、現金やクレジットカードで支払いをして走行しています。「めったに車に乗らないから」「ETCカードを作るのが面倒」など理由はさまざまだと思いますが、ETCを使わずに高速道路を通行すると、時間がかかる上に料金がかなり高くなることをご存じですか?特定の区間では、現金車の料金は、ETC車の3~4倍になってしまいます。「高速料金で損したくない」という人に、知ってほしい情報をまとめました。(ライター・プランナー 植村祐介) 【この記事の画像を見る】 ● 高速道路料金を現金・クレカで 支払う人は5.2% 高速道路の料金所をノンストップで通過できる「ETC」が本格的にスタートして、20年余りがたちました。 この間、ETCの利用率は右肩上がりに伸び、直近の2024年2月の利用率は94.8%(国土交通省調べ)となっています。ただ1日当たりの利用台数が約777万台であることから、実際にはまだ1日当たり40万台以上という少なくない台数のクルマが、現金やクレジットカードなど、ETC以外の支払い手段(非ETC)で高速道路を走行していることになります。
● ETCを使うには、 「ETC車載器」+「ETCカード」が必要 ETCは、クルマ側はICチップの入ったETCカードの読み取り機能とアンテナによる通信機能を備えた「ETC車載器」を、道路側にはETC車載器と通信するアンテナ、さらにアンテナから受け取ったデータを処理する専用のネットワークとサーバーを設置し、相互に通信する仕組みによって構成されています。 ETCカードが挿入された車載器を搭載したクルマが料金所などを通ると、アンテナとの通信で必要な情報が交換され、料金の収受や車載器側で表示する料金情報の伝達などが行われます。同時に料金所のバーの開閉が行われ、クルマの通行を可能とします。 また2015年には、従来のETCに新たな機能を付加した「ETC2.0」がスタートしました。ETC2.0では高速道路に設置された通信アンテナ「ITSスポット」との高速かつ双方向の通信で、より充実した道路交通情報の提供などが受けられます。さらに一部の高速道路では、ETC2.0を対象とした割引も実施しています。 なおETC2.0の利用には、ETC2.0対応車載器が必要となります。現在、市場には従来のETC車載器も継続販売されていますが、これから購入するのであれば、将来性を考え、ETC2.0対応車載器がおすすめです。 ETCを利用するには、車載器を用意してセットアップする手続きに加え、ETCカードの契約が必要です(車載器はクルマに装備されていることもあります)。先に挙げた「1日当たり42万台以上」の非ETCのクルマは、なんらかの事情でこれらの作業を行っていない、もしくは車載器は搭載しているがETCカードを挿入せずに走行していると考えられます。 そしてこの非ETCのクルマの利用者は、ETCでの走行に比べ、多くのデメリットに甘んじていることになります。