NMB48 安部若菜「アイドルは“夢ハラスメント”を受けている」現役アイドルが芸能スクールを舞台に描く、理想の居場所とは?【インタビュー】
「与えられた居場所で咲けばいい」は嫌い
――ダ・ヴィンチWebでも連載を始められましたが、「与えられた居場所で咲けばいい」って言葉が嫌いって書かれていたのがすごく印象的でした。 安部:やっぱりそんな風に簡単にいかないよって思うし、違和感があるんですよね。この本にも通じることですけど、自分から掴み取れる場所だってあるわけですから。 もちろん与えられた場所でがんばるのも大事ですけど、それがあわない場所だったら無理して潰れちゃうのが一番もったいないってずっと思っていて。本当に選択肢が増えた時代なので、違う場所を探したらいいところが見つかるかもしれないし、そこもダメだったらほかに変えたっていいし。 ――本の中では夢を諦める子が出てきます。でもすごくスッキリとやめていて、諦めることの清々しさも伝わってきました。 安部:「いつ諦めるか?」っていうのが一番難しい選択だと思うんですけど、程よく粘りつつ、でも無理に「ここしかダメだ」っていうんじゃなくて、別に違う夢を探してみようかなぐらいの軽さがあっていいんだろうと思います。 自分にとって譲れないものだけ一個持っていたら、なんでもかんでもしんどいのにやらなくてもいいし、逆にしんどいからってなんでもすぐに辞めていたら、後々の自分にも悪いことになっていくように思います。しんどいけどがんばりたいのか、ただしんどいだけなのか、じっくりじっくり考えてみたらいいんじゃないかな、と。 ――ちなみにご自身にとっては、絶対譲れないのってどんなものですか? 安部:なんだろう。でもなんか「勝って終わりたいな」っていう思いはずっと自分の中にありますね。NMB48に入った最初の頃はなかなかうまくいかなくて、ずっと「辞めたい辞めたい」って思っていたんですけど、親に「3年は続けろ」って言われて仕方なく続けました。 でもやっぱり何年か続けると、「ここまでやったのに、最後にしんどいで終わるのがいやだな」って思うようになってきて、どんなことでも一番気持ちよく終われるまではしんどくてもがんばろうって思っています。