「老後資金は2,000万」…いや、4,000万円必要です。FP山崎俊輔さんが5つの対策を伝授
対策2. 会社の退職金・企業年金を多くもらう
2つ目の対策は、会社の退職金や企業年金をたくさんもらうことです。実は年金生活者の平均資産額は2000万円以上なのですが、60歳(定年時)にまとまった金額を退職金としてもらうため、現役時代と比べて残高が一気に増えています。実は退職金をもらえば老後に2000万円問題は解決済み、という人もいるのです。ただし、いくらもらえるかは会社の制度次第です。 退職金規程や企業年金の規約は社内で開示されていますが、金額を計算するのはめんどうなことが多いです。自分の会社が退職金や企業年金があるか、人事部の友人がいれば聞いてみましょう。聞けるなら金額がどれくらいかも教えてもらえるといいでしょう。 会社が確定拠出年金制度を採用している場合は、自分のIDでログインすれば現在の資産額をチェックできます。シミュレーションページにいけば、定年時にいくらくらいになりそうか試算も可能です。 退職金や企業年金もたくさんもらいたいならば、「長く働くこと」と「高給で働くこと(高い職階級で仕事をすること)」が、増額のキーポイントです。 なお、転職を繰り返している人の場合、新卒~定年退職まで勤めた人と同じ退職金額はもらえませんので、注意してください。
対策3. 無理ない範囲で楽しく、長く働く
3つ目の対策は、長く働くことです。現在は65歳まで働ける世の中となっていますが、まずは65歳までしっかり働くことです。正社員の定年が60歳だからと60歳でリタイアしてしまうと、無収入の5年間を過ごすあいだに退職金を使い切ってしまい、65歳時点で「老後に0万円」になったりします。これはいけません。 また、男性の半数以上はすでに60歳代後半も働く時代です。仕事をして自分のお金を取り崩すスタートを遅らせることは、老後の家計をぐっと楽にします。先ほどの繰り下げ年金をしたい場合も60歳代後半まで働く必要があります。 正社員のように働ければ年収の面では理想的ですが、フルタイムにこだわらず、月5万円程度(年60万円程度)で働くような老後の働き方もありです。年金では月5万円足りないなら、月5万円稼げば取り崩しをせずにすむからです。 働きがいは人生の大きな張り合いでもあるので、無理なく働くことは重要な選択肢でしょう。社会としては高齢者の働くチャンスは増え、条件は向上していく傾向にありますので、うまくチャンスを活かして働いてみてください。