「老後資金は2,000万」…いや、4,000万円必要です。FP山崎俊輔さんが5つの対策を伝授
2019年に「老後に2,000万円」というキーワードが広がりました。公的年金だけでは月に5.5万円ほど不足し、これは人生100年時代に約2,000万円に相当する、というもの。 「老後資金は2,000万」…いや、4,000万円必要です。FP山崎俊輔さんが5つの対策を伝授 先日、物価上昇の影響についてテレビの取材を受けて次のようにコメントしたところ、ニュースの配信動画や配信記事が、アクセス数上位に位置していました。 物価上昇は将来の目標額の上方修正も迫る。物価が2倍になる時代には、『老後に2000万円』も『老後に4000万円』を意識した資産形成が重要になる。
「老後に4000万円なんて冗談じゃない」と怒る前に
ここで「5年で2倍!?」と信じられない人も多いでしょうが、同じようなことをアメリカ人に聞くと、「老後に2億円」という答えになるそうです。しかも、たった4年で50%くらい増額されているのだとか。「物価が上がる→未来の必要額は上がる」ということは、別におかしなことではないのです。 むしろ、日本の場合「基礎的な日常生活費=公的年金収入(会社員の場合)」として一生涯保障されているので、2億ではなく2000万円にとどまっているともいえます。 とはいえ、「4000万円なんか用意できないよ…」という声も聞こえてきます。今回はライフハッカー視点で、「老後に4000万円」5つの対策考えてみました。
対策1. 国の年金をたくさんもらう工夫をする
そもそもの公的年金額を増やしてしまうのが一番効率的な対策です。長生きする限り何十年でももらえる固定収入が増えるのが一番確実だからです。大きく2つの選択があります。 A. 共働きで働き続ける 国の年金モデルは「会社員の夫と専業主婦の妻」で設定されているので、この年金額より多くもらえば老後がぐっと楽になります。 夫婦が共働き正社員で働いていたとすれば、妻に月4~5万円くらいの厚生年金が期待でき、これだけで「老後に2000万円増」くらいのインパクトが生まれます(どちらが先立ったあとは遺族年金になり合計年金額は少し下がるが、それでも大きい)。 B. 繰り下げで年金を遅くもらいはじめる 国の年金は65歳からですが、自分の意思で遅くもらいはじめると、無年金の期間が生じる分、増額した年金を一生もらい続けることができます。これを年金の繰り下げといいますが、1年ごとに8.4%増となり、仮に3年遅らせれば25.2%増…。 このように、一気に年金額を増額させることができます。最大で75歳、84%増までできますが、そこまで考える必要はありません。2~3年くらいの増額を考えてみるといいでしょう。 なお、国の年金を多くもらうためには、「長く働く(厚生年金に加入する期間を延ばす)」「たくさん保険料を払う(給与が高いほど保険料増)」ことで年金額は大きくアップします。現役時代は不満だと思いますが、たくさん引かれた人はなんだかんだいって、たくさん年金をもらうことになるのです。