「セゾンカード」だけじゃない!グローバルな展開を見せる株式会社クレディセゾンの“強み”とは?小野和俊「カードだけの会社ではなくなっています」
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。6月1日(土)の放送は、株式会社クレディセゾン 取締役 兼 専務執行役員CDO 兼 CTOの小野和俊(おの・かずとし)さんをゲストに迎え、お届けしました。
小野さんは1999年に大学卒業後、サン・マイクロシステムズ株式会社(現:Oracle Corporation)に入社し、アメリカ本社にてJavaやXMLでの開発を経験。ベンチャー企業代表、さらに経済産業省「未踏ソフトウェア創造事業」に参画後、2015年6月にセゾン情報システムズ(現:セゾンテクノロジー)の取締役 CTOに就任。2019年3月にクレディセゾンに入社し、CTO に就任し、2023年3月より現職に就いています。
◆クレディセゾンならではの「強み」
「セゾンカード」でおなじみのクレディセゾンですが、現在の事業領域は多岐に渡り、「住宅ローンなどの不動産ファイナンスをやっておりまして、利益でいうとクレジットカードを追い抜くところまできています」と小野さん。 さらに、グローバル展開にも力を入れており「特にインドは(契約者が)0名から立ち上げて、2019年の事業開始から約4年ぐらいの期間で貸付残高が2,000億円超。社員も900名を超えており、スタートアップがユニコーン企業(創業10年以内で、企業評価額が10億ドル以上、かつ非上場のベンチャー企業のこと)になるみたいな勢いで、ものすごく伸びています。ですので、もうカードだけの会社ではなくなっています」と胸を張ります。 次に小野さんは、クレディセゾンのDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略について言及。 同社の特徴的な点として“内製化”を挙げ、「ITの領域については、自分たちでやるのではなく外部のプロに依頼する形が一般的だったんですけど、我々の一番ユニークなところは、事業会社のなかにITの専門家がいて、その人たちが自社のお客さま向けのプロダクトも社員向けのプロダクトも自分たちで作っています」と説明。 ときには、外部に頼むケースもあるとしながらも“内製化”という選択肢を併せ持つことで、「あらゆる変化に対応する柔軟性がすごく高くなりますし、作る側としても“言われたことだけやればいい”ではなく、同じ事業を一緒に作る(仲間として)数字も一緒に見ながら進めていく主体性も手に入れられることが大きなポイントですね」とメリットを上げます。 現在、小野さんが率いているチームについては「そもそも僕自身が、スタートアップの代表を長く務めていたので、スタートアップの人が半分ぐらいいます。でも(クレジットカード事業をおこなう)金融機関でもあるので、事故があってはいけないですから、エンタープライズの人も半分ぐらいいます」とのこと。 ダイバーシティ(多様性)な人材で構成されていることを強みとしながらも、「先輩から『これをやってはいけない』『これはするべき』と教わってきたものが、スタートアップの人とエンタープライズの人とでは全然違うわけです。なので(業務内容によっては)時としてお互いに“ありえない”となってしまうケースもありますが、そうした文化的な対立をいかにマネージ(対処)するかを考える意味では“面白い”とも“難しい”とも言える」と明かします。