2023年ドラフト“1年後検証”…カープファンから「常広はまだか!」の悲鳴、オリ6位の覚醒はドラフトキング級?《広島・ロッテ・阪神・オリックス編》
下位指名と育成指名に光が見えたロッテ
【ロッテ 2023年ドラフト指名選手】 ✕度会隆輝 21歳 外野手 ENEOS 183cm83kg 右投左打 ✕草加勝 22歳 投手 亜細亜大 182cm75kg 右投右打 ✕細野晴希 21歳 投手 東洋大 180cm86kg 左投左打 1位 上田希由翔 22歳 内野手 明治大 178cm85kg 右投左打 2位 大谷輝龍 23歳 投手 日本海L・富山 180cm82kg 右投右打 3位 木村優人 18歳 投手 霞ヶ浦高 185cm77kg 右投左打 4位 早坂響 18歳 投手 幕張総合高 176cm70kg 右投右打 5位 寺地隆成 18歳 捕手 明徳義塾高 177cm82kg 右投左打 育2 松石信八 18歳 内野手 藤蔭高 175cm75kg 右投右打 【ロッテ 総評】 「2023ロッテドラフト」の最も大きな成果は、支配下の下位と育成ドラフトで獲得した2人の高校出身野手であろう。 支配下5位指名・寺地隆成(捕手・明徳義塾高)は、シーズン当初からイースタンのDHやレギュラーマスクで大奮戦(104試合・打率.290)。「1番・捕手」を何試合もつとめながら、一昨年の一軍レギュラーマスク・松川虎生捕手以上の57試合でイースタンのマスクをかぶった。 さらに、育成ドラフト2位・松石信八(内野手・藤蔭高)もイースタンで106試合、遊撃のキーポジションを守って打率.207。 高校時は150キロ台にも乗せたことのある快腕。プロに入ってからの「遊撃手」だから27失策もしてしまったが、ファーム首脳陣にも投手陣にも見放されなかったのは、よほど「見どころ」があったからだろう。実際、動きのスピード、全身のバネと強肩は間違いなく一級品ではある。 寺地選手、松石選手、この2人の高校生ルーキーが素晴らしいのは、ほぼひとシーズンずっと暑い中で、へばっても音を上げずにファームのポジションを死守したこと。その強靭な心身が、何よりの伸びしろだ。 度会隆輝(ENEOS→横浜DeNA)、草加勝(亜細亜大→中日)、細野晴希(東洋大→日本ハム)……「1位重複」を3回外して、繰り上げ1位・上田希由翔(内野手・明治大)。 イースタン(70試合・打率.291・2本塁打)でも一軍(21試合・打率.259)でも、いかにも上田選手らしいジワジワッと頭をもたげてくる兆しを見せながら、イースタンの三塁手としての守備率.983。着実にステップを踏みながら、来季後半あたりからドカーンと来そうな風を送ってくる。 2位・大谷輝龍(投手・日本海L・富山)、3位・木村優人(投手・霞ヶ浦高)、4位・早坂響(投手・幕張総合高)……上位指名4投手は、そろりとプロ野球生活を歩み始めたようだ。 23歳で指名されて独立リーグからの入団だった大谷投手は、イースタンの実戦では痛い目に遭った(19試合0勝2敗・防御率5.64)が、シーズン終盤の一軍での「研修登板」では1イニング3奪三振。1年目の即戦力にはならなかったが、地力の片鱗は見せた。 長身から投げ下ろす右腕なのに、投げるゾーンが低いのが長所だった木村投手も、体作りに励みながら、イースタンの19イニングで4四球と持ち味の制球力を立証。今季は、体力強化最優先で練習に打ち込んだ早坂投手。イースタンでは結果が出なかったが、この秋、宮崎のフェニックス・リーグでの登板で「すごく良くなっている」と、関係者からの声が届いている。 【総合評価 △】
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