2023年ドラフト“1年後検証”…カープファンから「常広はまだか!」の悲鳴、オリ6位の覚醒はドラフトキング級?《広島・ロッテ・阪神・オリックス編》
6位指名がまさかの「大躍進」…オリックスの“お家芸”
【オリックス 2023年ドラフト指名選手】 1位 横山聖哉 18歳 内野手 上田西高 181cm85kg 右投左打 2位 河内康介 18歳 投手 聖カタリナ高 180cm72kg 右投右打 3位 東松快征 18歳 投手 享栄高 179cm90kg 左投左打 4位 堀柊那 18歳 捕手 報徳学園高 179cm81kg 右投右打 5位 高島泰都 24歳 投手 王子 181cm80kg 右投右打 6位 古田島成龍 24歳 投手 日本通運 175cm85kg 右投右打 7位 権田琉成 23歳 投手 TDK 180cm83kg 右投右打 【オリックス 総評】 上位4人に高校生の逸材を指名して、将来の左右のエースとセンターラインを堅守しながら打線の軸にもなれそうな、大きな夢を描きたくなるような指名ぶりとなった「2023オリックス・ドラフト」。 中嶋聡元監督の推しだった2位指名・河内康介(投手・聖カタリナ学園高)は、シーズン前半にウエスタンで18イニング投げて防御率1.50。快腕の片鱗を垣間見せながら右ヒジを痛め、8月にトミー・ジョン手術。 剛球左腕として嘱望される3位・東松快征(投手・享栄高)も、ウエスタンの実戦でプロの洗礼を浴びることとなった。 1位・横山聖哉(内野手・上田西高)、4位・堀柊那(捕手・報徳学園高)の元気者ふたりは、共にウエスタンで多くの出場機会を得て、特に堀捕手は前年ウエスタンのレギュラーマスクをつとめた福永奨捕手(國學院大・3年目)を上回る70試合に出場。守備率.985……勝負球のショートバウンドになる猛烈変化球もしっかり止めて、ディフェンス面で評価を上げた。 一方の横山内野手、1位指名の理由にもなった鉄砲肩は周囲を驚かせたが、フィールディングの「精度」という明確な課題を思い知った1年目となった。 さあ、そしてオリックスお家芸の「下位指名の社会人選手」である。 今回も、見事にその「伝統」を踏襲した。 ルーキーイヤーにして絶対的中継ぎという地位を確立(50試合2勝1敗・24ホールド)したのが6位・古田島成龍(投手・日本通運)。ペナントレースの緊迫の場面に毎試合のように投げて、三振を奪って安打、四球をなかなか許さない投球で、なんと防御率0.79。バラ色のオフだろうが、どうかくれぐれもご自愛を。 社会人当時からの制球力抜群のフラットなピッチングスタイルをそのまま体現し、シーズン終盤には先発で結果を出した高島泰都(投手・王子製紙)は5位指名だ。 スピードばかりが持ち上げられる傾向の今の野球界で、やはり、ピッチングという仕事の「土台」はコントロールでしょう。それをあらためて知らしめてくれたのは、日本シリーズのソフトバンク・有原航平投手と、この高島泰都投手だったのかもしれない。 【総合評価 〇】 <中日・日ハム・ヤクルト・西武編を見る> <巨人・楽天・DeNA・ソフトバンク編を見る>
(「マスクの窓から野球を見れば」安倍昌彦 = 文)
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