2023年ドラフト“1年後検証”…カープファンから「常広はまだか!」の悲鳴、オリ6位の覚醒はドラフトキング級?《広島・ロッテ・阪神・オリックス編》
上位指名が機能せず…阪神は「仕切り直し」の来季
【阪神 2023年ドラフト指名選手】 1位 下村海翔 21歳 投手 青山学院大 174cm74kg 右投右打 2位 椎葉剛 21歳 投手 IL徳島 183cm92kg 右投右打 3位 山田脩也 18歳 内野手 仙台育英高 177cm72kg 右投右打 4位 百崎蒼生 18歳 内野手 東海大熊本星翔高 178cm76kg 右投右打 5位 石黒佑弥 22歳 投手 JR西日本 180cm85kg 右投右打 6位 津田淳哉 22歳 投手 大阪経済大 178cm83kg 右投右打 【阪神 総評】 ドラフト1位、2位に、大学生と独立リーグの投手を指名して、その2人が今季、全く機能しなかった。 それが昨年、日本シリーズ制覇の阪神タイガースがペナントレースで2位に沈み、クライマックス・シリーズでの復活も逸した要因の一つになっているのだろう。それが証拠に……というのか、今秋のドラフトでは上から3人、伊原陵人(NTT西日本)、今朝丸裕喜(報徳学園高)、木下里都(KMGホールディングス)。実力派投手の指名が続いた。 1位・下村海翔(投手・青山学院大)は、すでに1月の新人自主トレの頃から右ヒジの状態が思わしくなく、シーズン早々の4月にトミー・ジョン手術に踏み切った。 ドラフトでは会場から驚きの声を送られながら2位指名された椎葉剛(投手・IL徳島)も「最速159キロ」の剛速球に即戦力の期待がかけられたが、結局ひとシーズン、ファームの中継ぎに終始(23試合0勝0敗・防御率4.45)した。 球速に特化したトレーニングを重ね、短いイニングの全力投球で大きな「MAX」を出してアピールする独立リーグの剛腕たちは、スピード以外の投手としての「仕事」が未開拓の場合があり、プロに進んでもそこのところで時間がかかったりする。椎葉投手も、この秋のフェニックスリーグでは、巨人相手におそらく未体験の4イニングを投げ無失点に抑える「実績」を作った。仕切り直しの来季が待っている。 唯一、一軍でプレーした5位・石黒佑弥(投手・JR西日本)も3試合の中継ぎに終わったが、ウエスタンでは守護神役で奮投(40試合4勝4敗・10セーブ・防御率3.50)。フォーク以外にも何か強力な勝負球を開発できれば、自然と一軍からの声もかかるだろう。 共にウエスタンで100試合前後の実戦体験を重ねて、プロの水に慣れる時間をもらった3位・山田脩也(内野手・仙台育英高)、4位・百崎蒼生(内野手・東海大熊本星翔高)は、来季が本当の意味での「出発」になろう。 【総合評価・? 】
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