視聴率低迷「フジテレビ」が「新しい地図」と「Snow Man」を積極起用 狙いは各局が頭を悩ませる“ヒットの新指標”
Snow Man人気にあやかりたい
「新しい地図」の3人が事務所を退所した当時、「ジャニーズを辞めたら、地上波には出演できない」というのが、テレビ業界内での暗黙の了解だった。 「実際3人のレギュラー番組の終了は、 香取の『SmaSTATION!!』(テレ朝)が退所した17年9月。そして香取の『おじゃMAP!!』(フジ)と草なぎの『「ぷっ」すま』(テレビ朝日)が18年3月。さらに稲垣の『ゴロウ・デラックス』(TBS)が19年3月と、退所後1年半ですべて終了しています。3人は17年11月からインターネットテレビ局・ABEMAが活動の拠点になりました。ただし、その中でも『ほん怖』は制作陣の判断で、そして『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日テレ)は 、一緒に司会を務めていた芸能界の大御所・萩本欽一さんの強い意向で、起用を続けてきました」(前出・放送担当記者) 退所から2年が経過した19年7月、NHKのスクープにより、旧ジャニが各テレビ局に対し、『新しい地図』の3人を出演させないよう圧力をかけた疑いで、公正取引委員会(公取委)が、ジャニーズ事務所に注意処分を下したことが発覚した。 「自局でスクープした手前か、NHKは19年度後期の連続テレビ小説『スカーレット』に稲垣を、21年の大河ドラマ『青天を衝け』に草なぎを、21年9月にはEテレで3人を子ども向けの教育番組『ワルイコあつまれ』に起用しました」(NHK関係者) 一方、旧ジャニは16年の解散まで事務所を背負っていたSMAPに変わり、嵐が新たな柱となったが、21年からグループとしての活動を休止することに。そこで嵐の後釜として、20年1月22日、旧ジャニーズ史上初となる2組同時のCDデビューでSnow ManとSixTONESを世に送り出した。 Snow Manは旧ジャニーズのCDデビュー組で唯一、民放キー局のゴールデン帯(午後7時~10時)での冠番組「それSnow Manにやらせて下さい」を持つまでに急成長し、嵐から事務所の看板を見事に継承した。ところが昨年、創業者の故ジャニー喜多川氏による所属タレントたちへの性加害問題が発覚。これにより、各テレビ局は番組への旧ジャニタレントの起用を自粛した。受信料収入で成り立っているNHKは、視聴者からのクレームを危惧してか、おおみそかの紅白からも旧ジャニタレントを締め出し、今も起用を控えている。そして民放キー局の中では、特にフジが強硬な姿勢だったことは前述の通りだ。 そのフジが、Snow Manや「新しい地図」を積極起用した背景には、やはりあの問題があった。 「視聴率が長期間、低迷しているフジですが、現在は13歳から49歳を対象とした“男女コア視聴率”を稼げる番組作りに力を入れています。旧ジャニの中でも飛び抜けた人気があるSnow Manは大事な存在です。彼らがTBSで持っている冠番組は、ダンス色を押し出し過ぎてファンには不評でした。フジの担当者は事務所サイドに、『ウチなら、もっと面白いバラエティーができます!』と売り込んでいるそうです。また、『新しい地図』の3人はSMAP時代からの知名度や実力もそうですが、これまでの経緯も視聴者の共感を呼ぶと判断しているのでしょう」(前出・放送担当記者)