【動画解説】記録的な大雨・暴風に警戒 ゆっくり速度の台風10号
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非常に強い台風10号は動きが遅く、広範囲で影響が長引くということが特徴です。太平洋側を中心に記録的な総雨量になる恐れがあり、大雨・暴風への万全な備えが必要です。
台風10号は先週の近畿地方付近を北上する予想から大幅に変わり、西寄りに進んでいます。偏西風にのれないため動きが非常に遅く、影響が長引くことで西日本・東日本の南東斜面を中心に大雨が続く見込みです。台風から離れた東北や北海道でも台風からの湿った空気が秋雨前線を刺激して、台風が近づく前から雨量が多くなりそうです。
奄美地方には、きょう27日(火)昼ごろの段階で台風本体の雨雲がかかり始めました。台風から離れた東海付近には台風周辺の湿った空気に伴う雨雲、さらに離れた東北から北海道には秋雨前線の雨雲がかかり、台風の湿りが前線を刺激して活動が活発化しています。
台風10号は発達のピークを迎えつつあり、あす28日(水)にかけて奄美地方に接近、その後あさって29日(木)にかけて九州に接近・上陸する恐れがあります。台風はゆっくりとした速度で、週末にかけて本州を縦断する見込みです。
奄美地方や九州南部地方では、あさって29日(木)にかけて瞬間的に60メートルから70メートルの家屋が倒壊するような猛烈な風が吹く恐れがあります。暴風・高波に厳重な警戒が必要です。
台風の動きが遅いため、全国的に雨が続くでしょう。太平洋側を中心に記録的な総雨量となる恐れがあり、土砂崩れなど大雨災害にも厳重な警戒をしてください。30日(金)以降は東海や関東、北日本にも台風本体の雨雲が近づき風が強まりそうです。台風の予報円がまだ大きく、進路や速度にブレがあるため、常に最新の台風情報と交通情報を確認するようにしてください。 (気象予報士・仁木清加)